2章 君のその仕草〜私の胸の何か〜
日曜日、私は友達と近くのカフェでお茶をしていた。変わらない日常。変わらない風景。まるで、写真の中に閉じ込められたかのように感じる。友達とはくだらない話で盛り上がっていると、いきなり友達が
「なんで、あの人がいいの?」
いきなり聞いてくる。あの人とは私の胸を毎回苦しめてくる隣の学校の男の子だ。
「なんでって言われても。わからないよ」
月曜日の朝、私には楽しみがあった。通学で使う電車。いつもは憂鬱な気持ちで乗る電車だが、月曜日だけは特別だった。あの人がいるから。駅につき、いつもの車両が来るのを待っていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。昨日も一緒にいた友達だ。
「あの人今日もいるかな?」
「月曜日のこの時間の電車は絶対いるよ」
「詳しいねー」
ニヤニヤしながら私のことをみる友達。彼女は昔からこういう性格だ。
「聞かないでよ!昨日も言った!」
電車が来て、車両に乗り込む、私と彼女。電車の椅子を背もたれにし待っていると目の前の席にいつもの彼がやってきた。すると、目と目が合った。私の胸が締め付けられた。慌てて目を逸らし、電車の窓を手鏡代わりにして、春の制服を直した。
彼はいつもイヤホンをしながらスマホをいじっている。彼の足元には隣の高校のサッカー部のバックが置いてある。それをじっとみていると、彼に綺麗な女性が近づいてきた。
「なんだよ。お前もこの電車?一緒に行こうぜ」
彼がその女性に話しかけているのを見る私
もっと胸が締め付けられた。
電車は学校のある駅に止まり、私と友達は降りた。
学校に着き、モヤモヤしながら授業を受け昼休みになる。私は鞄からお弁当を出そうとした時にあることに気づいた。大事なあれがない。友達に聞くがわからないと言われ、駅に電話したが落とし物は届いてないと言われた。最悪だ。
火曜日、いつもの電車に乗るが彼の姿はない。彼は月曜日の朝のあの電車にしか乗らないからだ。たぶん、朝練があるのだろう。彼の姿を期待して毎回電車に乗るがいるはずがない。すると、友達が
「昨日の綺麗な女の人、彼女かな?」
耳元でそっと行ってくる彼女。私が1番気にしていることをさらっと言ってくる彼女にイラだった。
「わからないよ」
少し強い口調で言うと
「なんで怒ってるの?」
彼女は鈍感なのか馬鹿なのかわからない。
「きっと理解できないよ。私の気持ちなんか」
私の気持ちはもっと暗くなった。
水曜日、電車を乗ろうと待っていると後ろにこの間の綺麗な女の人がいた。同じ駅だったんだ。私は驚いたが、あまり深く考えるのがめんどくさかった。電車が来て乗るこむ私。すると、なぜかそこには彼がいた。そこから木曜日、金曜日、毎日見かけた。なんでだろう。考えているが、私はもっと大事なことを思い出した。
明日は土曜日だ。電車に乗らないから彼に会えない。毎日会えてた分、寂しさがいつも以上だった。この1週間毎日彼のことを思い続けてきた。月曜日、絶対気持ち伝えよう。
月曜日、私はいつもの電車に乗る。いざ!勝負!いつもの車両にはいつも通り彼がいた。私は決心するかのように手に巻いていた真っ黒なエアゴムでポニーテールに髪を束ねた。話しかけようとしたその瞬間、
「すみません」
なんと、彼の方から話しかけてくれたのだ。
「は、は、はい!なんでしょう!」
いきなりのことにすごく動揺する私。それを見て彼がクスッと笑い
「いきなり、すみません。いつもこの電車に乗ってますよね?ポニーテール可愛いですね!いきなり変なこと言うかもしれないんですけど、一目見た時になんか静電気みたいに一瞬びびっとなったんですよ。おかしいですよね」
彼の以外な言葉に私の顔を真っ赤になっていた。
「私も!そ、その、、」
勇気を持って伝えようとした瞬間彼が近づいてきた。そっと近づく彼に私の心臓が口から出そうなくらい緊張してた。すると、彼が
「動かないで」
耳元で囁く。私の肩にいる何かをそっと掴んだ。その両手を近くの窓から外に逃した。モンシロチョウだ。
「いきなりごめんね。肩に蝶が止まっていたから」
彼の優しさに私は更に好きになってしまうのだった。
今、好きな人がいる人。気になる人がいる人。そうでない人。
人間いつかは自分が犠牲になってもいいから守りたいと思う人に出会う。その人がいつ現れるかなんかわからない。だが、一つ言えるのは、運命の人は近くにいて、あとは気持ちを伝えられるかと言う問題だけと言うことだ。だがら、もし運命の人だと思ったら離したらダメです。
しっかり、守って好きでいて離さないようにしましょう。
坂道はいつも僕を助ける かみむら。 @yuta822soccer
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