追伸
あの時から数年。私は、毎年閲覧制限の支援を更新しながら、少しだけ不便だけれど安心した毎日を送っている。
子供も大きくなり、私も子供だったころの両親の年齢に近付いた。
両親を許したくない気持ちも今はまだある。これが消えるかどうかはわからない。
ただ、両親を哀れむ気持ちも少しだけ生まれたのは確かだ。
私は両親と絶縁をしたが、幸いながら私には良き友人と伴侶に恵まれた。
今のところは、子供に致命的な暴力も振るっていない……と思っている。
しかし、あの頃の母親のおかれていた状況になったとき、私も彼女と似たようなことはしてしまわないとは言い切れない。
人は弱い。
獣だった私は人に近付けた。それでも、追い込まれればすぐに獣に落ちてしまうだろう。
だから……私は、私を虐げた両親を……母親を憎んでいるけれど不幸でいて欲しいとまでは思えなくなった。
願わくば、私の関係ないところで健やかな余生を送って欲しいと思う。
手紙 小紫-こむらさきー @violetsnake206
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