第9話

めぐみんがベッドに入り、しばらく時間が経ったとき。

「......ねぇカズマ?」

俺と背中をくっつけてしばらく無言だっためぐみんが話しかけてきた。

「な、なんだよ?」

「いえその......こうしてカズマと一緒に寝ると、なぜだかとても安心するというか......その、頼もしい人がそばにいてくれる信頼と言うか、そんなのが感じられて......」

何を言い出すかと思えば、俺にはちょっと何言ってるか分からないことを言ってきた。

「そ、そうか......?というか、俺ってみんなから頼られてるのかよ」

「私は、少なくともカズマの事は信頼してますし、なにより頼りになるじゃないですか」

「へ、へぇ......」

「だって、いつもみんなの事を考えて動いてくれるし......時によっては、ちょっとふざけたこともしますが......それでも、頼りになる人ですよ。カズマって」

俺は褒められてんのか?よく分からん。

「ふふっ......今なら、カズマがロリコンになってもいいですけど......」

めぐみんはちょっと笑いながらモゴモゴとそう言う。

「ええと......お前は俺を褒めてんのか?」

「はいそうですよ。ま、まあ......時によっては頼りなくなりますけど......」

「褒めてねーじゃんか!」

矛盾したことを言うめぐみんに俺はツッコミを入れた。

「ち、違いますよ!その、全体を見たら頼れるというかなんというか......」

「全体?......ま、まあいいや......?」

......。

............。

なんか前にもこんな感じで、めぐみんと一緒に寝たことがあったっけな。

そん時は......めぐみんが色々としてくれるっていうから期待しちゃったんだけど、結局ダメだったんだよな。

今日はそんなことが起きないかなーってちょっと期待してるのは内緒だぞ。

「あの、カズマ?......そ、その......なんか、布団がモゾモゾと動いてるんですけど......」

「は?......お、俺は知らんぞ!」

めぐみんが言うとおり、布団が謎にモゾモゾと動いていた。

決して俺が何かしているという訳でもなく、将又(はたまた)めぐみんが何かしているという訳でもなく。

じゃあこのモゾモゾと動くモノは何なんだ?

そう思った俺は布団をめくると。

「わっ......みつかっちゃった......」

「......なにしてんだよ?」

布団をめくるとそこにいたのは、めぐみんの妹であるこめっこが俺の上に乗っかっていた。

「......べ、別になにも......そ、その、姉ちゃんと一緒に寝ようかなって思って、さっき来たんだけど......」

「あ、あー......なるほど」

まさかの、俺の所にロリっ子が二人もいるとは......。

いや、決してロリコンではないはずなのだが......。

なんか、この二人がすんげー可愛く思えてきたのは気のせいだろうか?

「と、とにかく、こめっこはめぐみんと一緒に寝たかったのか」

「うんそうだよ」

「そうですか。でも......カズマは良いんですか?」

「あん?何が?」

「その、こめっこが......」

ああ......まあ、別に一緒に寝たところでって感じだしな。

「ま、まあ、いいけど」

「あの一つ言っておきますけど、こめっこには何もしないでくださいよ?あなたがロリコンではないことは分かっていますが......」

「はいはい......なにもしないっつーの」

めぐみんと二人きりで寝るはずだったのだが、まさかのこめっこがくるとは......色々と分からなくなってきたわ。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ロリコンと化したカズマ らかん @dipper36

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ