第30話 今もなお
会社を定年退職した。
もう働きたくないので家に引きこもり、ダラダラと日々過ごしている。高齢な親に身の周りのことをやってもらいながら。
端から見ればクズの極みである。そのことに薄々気づいていながらも面倒臭さが先に立ち、家のことは一切やらない。
両親は「いっそ死ねばいいのに」と本気で思っていたりする。
このような心がけなので、結婚どころか彼女すらできなかった。
あれから少ないながらも親が信頼されているおかげで出会える機会は複数回あった。
しかし、この性格である。
そして舐めるようなイヤラシイ視線は相変わらず健在。そのため相手は会ったその場で身の危険を感じ、同じ空間にいる間に不潔さを感じ、帰る前には「コイツだけは無い!」と判断されてしまう。そしてその日のうちに断りが入る。
こういったことが続いた結果、親からの伝手も完全に途切れ、素人童貞は今なお継続中なのである。
改善すべきところをどうにかすれば可能性は出てくるはずなのに、そこに気付けない。
気付くことができない。
原因が分かっているはずなのに未だ顔のせいにする。男子高のせいにする。
指摘されても(主に体臭。対策するように言われても聞かない。)無視する。それどころか指摘してくれた人を憎む。そしてモロに態度に出る。
よって、人間関係がこじれる。
といったことがセットになっており、完全にパターン化してしまっている。
この負のループを断ち切らない限り、いい方に向かうわけがないのである。
精力だけは未だ強いまま。
定年してもセンズ●はほぼ毎日こいている。
デリヘルにもいまだ狂っている。年齢が年齢だけに、最盛期と比較すると若干減ったものの、それでも週一回以上のペースで利用している。あれから何回も性病に感染したが、まったく懲りちゃいない。
幼馴染ともあれっきりだ。
いちばん仲の良かった幼馴染とは一回も会ってない。それどころか、会話もしていない。これは嫁さんが酷く拒絶しているからであって、会うことは勿論、会話することすら許さない。それほどまでにあの時の嫌悪と憎しみは強烈に焼き付いており、間接的に名前が出ただけでもアレルギー的拒否反応を示す。
おそらくほぼ確実に一生消えないだろう。
幼馴染も会って話しをしたところで愚痴ばかり聞かされる羽目になることは目に見えている。だから、面白くもなんともないわけで。
会う必要がないと思われてしまうのも当然の結果なのだ。
他の幼馴染も同じような考えなので、あえて付き合いしようとは思っていない。そのため、一切連絡を取ってもらえないといった有様。
性格の悪さがとことん災いし、とことんつまらない人生を送る羽目になった。
でも、これは完全に自業自得。
そんな、オトコだらけの…いや、オトコだけの物語はあと少し続きそうだ。
オトコだらけの…。 Zee-Ⅲ Basser @1kd-ftv
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます