@zoe

僕はまっすぐに伸びる長い廊下を

歩いていた

前を歩く男に言う

「嫌な夢を見ちゃって」

男は答える

「どんな?」


「それが」

僕は答えた


夢のなかでは

なにか施設、学校のような

ところにいる

そして

そこから、卒業するようだ

荷物の後片付けをしてる

というか、それは終活だ

僕らは、これから死ぬらしい

理由はわからない

でも、なんか

おだやかなんだ

さみしい空気もある

それは、名誉あることらしく

自分以外にも

たくさんの人が、一緒にいくらしい

送り出されるらしい


急にこわくなるんだけど

なんというか

まわりの、おだやかな空気に

のせられてしまうのね、なんか


そして、逃げ場もない


目が覚めた時

強烈にこわい印象が残ってて

夢だったのか、なんなのか

わからなくなった



「そういう内容でした」


「そう」

男は振り返りもせず、答える


男は立ち止まり、ゆっくりと

ドアを開ける

僕はなかへ通される


そこは

なにもないがらんとした部屋

なにもない


僕は気がついた

おだやかな気分でいる自分に

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