先輩の横暴でサッカー部を追放された天才ストライカー、女子フットサル同好会に吸収される ~戦力ガタガタになったから戻って来いと言われてももう遅い。化け物みたいな連中に生殺与奪握られてるので~
早くも最終話 経済崩壊の巻!!!!!(ざまぁもあるよ)
早くも最終話 経済崩壊の巻!!!!!(ざまぁもあるよ)
「梅田、おい梅田」
「あ……古野高校男子サッカー部の顧問兼数学教師の役多々図(やくたたず)先生……」
「ど、どうしてそう説明口調なんだ? まぁいい」
役立たず先生はそう言いつつ眼鏡をくいっと上げた。うっ、トラウマ……でもねぇか。それ以上の傷は身に刻み込まれたわけだし。
「実はな、紀元が退学になった」
「え……古野高校男子サッカー部副キャプテンの紀元先輩が?」
「ああ、なんでもコンビニで万引きしたとかいってな。あと、他の生徒達をたぶらかし、スライディングの練習をさせたり、エロコラを作らせたり……なんやかんやあって退学になったんだ」
「へぇ……」
処罰重いな。なんやかんやの部分で人でも殺したんだろうか。
でも、フットサル同好会の連中が退学になっていないって考えたら人殺しくらいじゃ停学にもならなそうだけどなー。
「というわけでな、紀元から提出された万引きの写真は捏造だと判明してな。お前の退部を取り消せることになった」
「サッカー部に、戻れると……!?」
「ああ。恥ずかしい話だが、お前が抜けてチームパワーもがた落ちでな……このままでは地区予選1回戦出場も怪しいんだ」
出場まで……!
「そ、そうですか。そういうことなら……」
好きなサッカーができる。そしてあのフットサル同好会から逃げられる。
こんな旨い話があるだろうか。当然俺の答えは――
「ちょっと待ってください。ゴミクズ先生」
し、しまった!? 嗅ぎつけられた!!!!
ここは公共スぺースである廊下!!! もっと限定的な、男子トイレの個室とかで話していれば良かった……!!
「な、どうした榎田。というか、私はゴミクズでなく、役多々図……」
「どっちでもいいです。先生、ヒロちゃんは私達、女子フットサル同好会の一員ですので、サッカー部には入れません」
「女子……? おい、榎田、梅田は男――」
「やれやれ、ですね」
「ッ!? ま、まずい! 先生逃げろ!!」
「鐘鶴(かねづる)先輩!」
ぱちん、とボスが指を弾いて鳴らすと、瞬間、彼女の隣に金髪ドリルロールの髪をたなびかせたすっげぇ巨乳の先輩が現れる。
鐘鶴(かねづる)麗華(れいか)先輩……! 大体創作物に出てくる金持ちお嬢様につけられる麗華という名前に相応しい、とんでもない金持ち、且つ巨乳の先輩だ!!!!
「お任せあれ、ボス。さぁ、ゴミクズ先生。そちらのヒロちゃんの身柄……譲っていただきましょう」
鐘鶴先輩のフットスキルが発動する……!!! も、もうおしまいだ……!!!
「先生、これから起こる全ての不正を……見逃していただきますわ!!!」
先輩の目が光る……これが鐘鶴先輩のフットスキル。絶対遵守の力……!!
「この1億円でッ!!!!」
エコノミック・カタストロフィイイイイイイイイ!!!!!!
無限に金を創造する力!!!! 経済崩壊を起こせるほどのエゴイスティックな能力だあああああああ!!!
「ほ、ほえ……1億……」
ドンッと、突然廊下に落ちた1億円に先生が腰を抜かす。駄目だ、威圧されればそれでおしまい……もう先生に抵抗する力は残されていない。
この場外バトル、鐘鶴先輩のクリティカルデッドエンドが決まったってところだな……カウンターアディショナルタイムの権利もオーバースルーがされるだろう。
「さぁ、これで貴方の所有権はワタクシたちのものですわ。行きますわよ、ヒロちゃん」
「鐘鶴先輩……どうして一般人にフットスキルを……!」
「それだけの価値が貴方……いえ、貴女にはあるということですわよ」
貴女はやめて!
「ありがとうございます、先輩。それじゃあ練習に行こうか、ヒロちゃん。ヒロちゃんのフットスキルも早く次の段階に覚醒させたいし……このままじゃ来月の四天王惨殺戦に間に合わないからね」
ボスがそう気持ちのいい笑顔を向けてくる。この諸悪の根源……!!
「うふふ、大丈夫だよ、ヒロちゃん。私達も華の女子高生だしぃ……男の子のヒロちゃんにはきっと嬉しいムフフな展開が待ってるかもよ?」
「ええ。ワタクシたちも涼しい顔して中身はただのエロ猿みたいなものですから」
「良かったね、ヒロちゃん。これから始まる薔薇色フットサルライフ! 酒池肉林の世界にようこそ~♪」
「い、嫌だ……誰か助けてくれぇぇえええええええ!!」
最後だけ、なんだかラブコメっぽい感じにしてこの物語は幕を閉じる。
こうして俺はサッカー選手としての未来を絶たれ、裏の世界にはびこる魑魅魍魎共を相手にフットサルというデスマッチを繰り広げていくことになるのであった。
~完~
先輩の横暴でサッカー部を追放された天才ストライカー、女子フットサル同好会に吸収される ~戦力ガタガタになったから戻って来いと言われてももう遅い。化け物みたいな連中に生殺与奪握られてるので~ としぞう @toshizone23
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます