第4話 2年前の夜

昼下がりにハルは寝ていた。

脱力と共に起き、目を擦りながら携帯を覗くと20件を越える着信が目に入る。

全部知らない番号、市外局番から複数と080から始まる番号が複数。


・・・何事だ

ざわざわと同時に冷んやりする感覚を感じながらとりあえず、その番号に折り返す。


ハルはその日から、変わってしまった。


ハルは結婚していた

電話の内容は妻と息子が事故に遭い即死という訃報だった。

電話の内容なんて大して覚えてない、その日からの数ヶ月なんてほとんど覚えてない。


ただひとつの事実として

今までのハルはそこで居なくなってしまった。

妻と息子の死と同時にハルの心もそこで死んだのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

半透明 晴世 @raikun1004

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ