第3話 夜

「初めまして、乾杯ーっ」


落ち着いたシックな店内で男女の声がする。

ハルはカノジョとは違うオンナと一緒にいた。

仕事の話、お互いの恋愛の話、お酒の話

色んな話をして徐々に打ち解け合う。

勿論、ハルの言葉に本当の事など混ざってない、純度100%の嘘だ。

そして頃合いを見てささっとお会計を済ませる。


お店を出る時

オンナは「ご馳走様、ハルくん本当にかっこいいね、スマートだし出来る男ってこんな感じなんだね」と恍惚気味にこういう。


別に内装が洒落てるだけの安い店で、俗にコスパの良い店だ、大した額ではない。

内心そう思いながらハルはオンナに問いかける

「どうする?もう一軒行く?それともバイバイする?」

オンナは即答で

「もう一軒いく!」


その瞬間、ハルは慣れた手付きで

オンナの手を握り、酔ったから甘えるねと手を繋ぐ。別に酔ってなどないけど


2人は適当なバーを挟み

ホテルへと向かう、会った時からお互いゴールは決まってたみたいだと感じながら

もうこれが何人目なのだろうか、何人との性行為なのだろうかと俯瞰していると

オンナがいう「私好きな人だからするんだからね、ハルくんは私の事すき?」

またこのパターンかと思いながらもハルは答える

「今から好きになるかも」

そして矢継ぎ早におでこにキスをして微笑む

「しよ?」

オンナは無言で頷く。

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