いくらドラマだからって、今の視点や基準で当時を描くなよ……って、えっ??!!
@HasumiChouji
いくらドラマだからって、今の視点や基準で当時を描くなよ……って、えっ??!!
「あのさぁ……いくらフィクションだからって限度が有るよ」
私達がやろうとしている企画に対して会社の重役から、クレームが入った。
まぁ、そうなるわな、とは予想はしていた。
「大体、当時の警察はガチガチの縦割りだよ。こんな遊撃隊みたいな連中が、当時の警察に居た訳ないじゃん。仮に居たとしても、他の部署が担当してる事件に首を突っ込んだり出来ないよね?」
早速、私達の企画の前提から成り立たなくする手に出たらしい。
「それにさぁ……まだ、あの時代は、今から見りゃ男尊女卑バリバリの時代だよ。男社会である警察の一員が、目下の女性に敬語を使う訳ないだろ」
どうやら、この重役は、主人公より「味方の足を引っ張る無能な馬鹿」として描かれているキャラに共感しているようだ。
「まだ、あのドラマのファンだった人達は沢山居るんだよ。今の時代の常識に合せて話を改竄したら、当時のファンがどう思うだろ〜ねぇ?」
当時のSNSへの書き込みだったら、最後に「w」を山程付けていただろうな、と言いたくなるような嘲笑口調だった。
今、私達がやろうとしているのは、二〇〇〇年代〜二〇二〇年代に人気だったTVドラマのリメイクだった。
一見、温厚なエリートだが、実はとんでもない変人の年上の刑事と、それに振り回される若い刑事のバディものだ。
まぁ、しかし、この重役の世代には「今の基準で過去を裁くな」的な極めて古臭い考えに取り憑かれてる人が多過ぎて困る。
「とりあえず、この企画は、中止だ、中……」
「あの……まだ、この企画、誰に脚本をやってもらうかも決ってないんですけど……」
「……えっ? いや、待ってくれ、じゃあ、俺が読んだ脚本は……一体?」
「当時の脚本そのまんまです」
いくら、ウチの会社が出来た時の出資者の1人だからと言って「あの主人公は、あの時代の警官や男性の
いくらドラマだからって、今の視点や基準で当時を描くなよ……って、えっ??!! @HasumiChouji
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