最終話 私の本当の正体

 私はロシアのスパイ。今のところは大丈夫ね。エイリアンが攻撃? それはウソなのよね。エイリアンの生物兵器? いいえ、ロシアの生物兵器が正解なの。私の正体は本当にバレていない。そもそも、宮坂田健一、この男の記憶を消したのは私よ。その方が都合がよいから。廃病院のスタッフルームやナースステーションの書類を全部調べてよかった。私のことに気付きかけていた宮坂田健一。日記ノートのページを破ったのは私。ふふ、この宮坂田健一は使えるわね。私のことを本当に愛しているから。さて、これから私はどうしようかしら。もうちょっと宮坂田健一の恋人でいてもいいわね。ロシアのクレースト、十字架が生物兵器、つまり異形の人々に効果があるのは実験しているからよ。けれども、この宮坂田健一の腕のなかはすごく温かみを感じる。私、この人となら? なんてね。さて、もうちょっと日本でスパイ活動するかしらね。


終わり

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異形な愛 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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