あとがき

ここまで読んでいただきありがとうございました。


最後に本作の書きたかったことなどの要約や補完などをしていきたいと思います。


読み手によっては人様の貴重な時間を使わせてるのだからソレに見合う何かが無いとダメだと考える人も居ますので、最後に雑学なんかを増やして貰えればと思います。


なお、


本作のテーマは移民と差別がメインでした。


なぜコレを取り上げたかというと、差別など取り扱った作品が見た目の違いなどを理由としたものが多い気がしたからです。


実際に見た目を理由とした差別は存在しますし、作品の題材にするにしても解り易いと思います。


でも、そればかりが目立つ今度はソレ以外で起こる差別に対する認識・関心が薄れてしまうのではと私は思いました。


特段、一度、理解したと思ったことは中々、深堀することありません。社会人なら仕事で忙しかったりして調べてる時間もなかったりしますしね。


そういった考えもあって移民差別を題材に取り込みました。


移民問題は現代でも存在するのでコレを切っ掛けに興味を持ってもらえたり、他の作家さんが今後、書く作品の参考とか、創作意欲などに繋げて貰えたらなと思います。


まぁ、複雑な事情があるせいで移民差別は読者には解り難いので題材としては不向きでしょうが…。


移民が頑張って働いたら差別されるって…なんも知らないでコレだけ聞いても意味不明ですしね…


でも、実際、移民・難民は良く働きます。家族への仕送りのためとか生活のためだったり、よそ者を受け入れたくれた感謝の気持ちだったり、疎まれてるからこそもっと受け入れて貰えるように頑張ったりと理由は様々ですが良く働くそうです(少なくともナチス時代前後くらいの歴史調べた限りは)


感謝してるから文句を言わない。元いた国のがもっと酷かったら苦にも思わなかったりなせいで薄給でこき使いたい放題にして、自己利潤しか考えられない経営者が移民ばかり雇って自国民を蔑ろにする。


結果、自国民は仕事を奪った移民を恨み、無職で路頭に彷徨い、生きるために犯罪行為に手を染める者が増えるのも移民のせいであると決めつけるようになります。

本当に悪いのは基本、国と経営者ですが感情的な人や上っ面しか見ない人、それら人々が作り出す風潮に何も考えずに同調して流される人なんかが移民に悪感情を抱くようになります。


さらに、良く働く移民と比較されて惨めな気持ちになった人が、惨めな思いをするのは移民のせいだと感情的に考えて移民を攻撃するようになります。


もちろん移民だからといって勤勉・誠実とは限りません。不誠実な移民は職にありつけず生活のために犯罪に走る場合もあり、これまた移民への偏見が強くなります〈治安悪化しないために(移民・自国民関係なく)失業者への食料配給などが行われるので必ずしも、そうなるとは限りませんが配給にも限界があるので根本的に良くなることはありません〉


移民が安すぎる給料に文句を言おうものなら自国の正社員が移民と同じ薄給になり正社員達から余計なことしやがってと思われ恨まれるます。


経営者「賃金格差もなくなって平等になったな。ヨシッ!」


移民A「何を見てヨシッ!って言ったんですか」

移民B「違う、違う、そうじゃない(給料上げろ)」



そんな不遇な扱いばかりしてると移民は別の国に逃げていきます。


当然ですよね。何やっても恨まれるし頑張っても給料安いし認めて貰えないのですから。


しかも、移民というのは一時的でも移民に成功しているので別の国に居場所を移すことにそれほど躊躇いを持ちません。


時には隣国が優秀な人材として移民をヘッドハンティングすることもあります。


これにより自国の技術が他所の国へと流出する事態が起こり、自国の産業が空洞化して益々、国が貧しくなり、ついには経営者も移民を嫌うようになります。


経営者A「移民の野郎ども雇ってやったのにウチの会社の技術盗んで他所の国に行きやがってーッ!! あの恩知らず共がーッ!! ムキーッ!!」


経営者B「なに⁉ あの移民、滅茶苦茶いいアイデア持ってたのに我が社や国に還元することなく他所の国に渡しただと?! 移民として受け入れてやったのにアイツらは感謝と言うものを知らんのかファッキュユー!!」


完全に自業自得ですが、理屈で動かないのが人間。雇ってやったのに裏切られた程度にしか思わずに普通に移民を恨みます。


解り易くするために極端な説明になってはいますが、こういった経緯のもと移民差別は完成していきます。


最後はどうなるかって?


ナチスの例で考えると虐殺で終わりますね。


有名なユダヤ人虐殺はユダヤ人の陰謀を阻止するため行われたという話や宗教上、仲が悪かったことやアーリア人(ドイツ人)優勢思想などが原因であると言われてますが、それ以外にも先の移民問題で嫌われてたことも関係してます(事実、同じ移民のジプシー(ロマ)もナチスに虐殺されてます)


先にも述べましたが移民・難民問題は現代でも存在しています。


なので差別が生まれる経緯とその果てにあるものをちゃんと理解していなければこういった悲劇はいつでも起こり得る可能性を秘めています。


そのため現代では移民・難民に対して手厚い扱いをしようという考えや、移民・難民を丁重に扱っても相互利益や融和に繋がらないという考えまで存在します。


特段、興味深かったのは後者なのですが、カクヨムの規約。政治的行為またはこれに関連する行為に当てはまりかねないので先に明言しておきますが


調



では、本題に入りますが、なぜ、移民・難民を手厚く扱うことに反対意見があるのかいうと、最終的にソレが移民・難民のためにならないと考えられているからです。


例えば難民は住んでた国が紛争状態で安定した仕事が存在しないために泣く泣く別の国へと稼ぎにきます。


当然、彼らは、お金と命の安全を得るために一時的にやってきているだけですので定住や帰化することを目的にしているワケではありません。


庇護している国も倫理的な観点や難民が生まれる元凶を作ってしまったことに対する罪滅ぼしなどの理由で難民を受け入れている側面もあるので、移民・難民をずっと手厚く扱い続けていては国の負担になってしまうので彼らの祖国の紛争が終わり身の危険もなくなったら難民には帰って貰い自分たちの国で経済・産業を発展させてビジネスパートナーになってくれるのが一番望ましいのです。


しかし、移民・難民を手厚く扱い過ぎると祖国の紛争が無くなっても難民は帰らなくなってしまいます(もしくは、一度は祖国に帰っても直ぐに難民として戻ってきてしまう)


だって帰っても戦争で荒地なっててソコからイチから起業してインフラ整えてと色々クソ面倒くさい事をしなくてはいけないからです。


「そんな面倒くさい事しなくても難民として庇護して貰える方が超ラクできるんじゃん。帰んないでずっとこの国にお世話になろう」と難民が考えるようになってしまうと国はいつまでも移民・難民を手厚く扱わなくてはいけなくなってしまう状況に陥ってしまい帰らない難民を受け入れ続けて許容がいずれ限界を超えてナチス時代の虐殺が再来になってしまうからです。


これが移民・難民を手厚く扱ってはいけないという考えです。


もちろんコレは蔑ろにしろという理屈ではありません。なんでも受け入れて、なんでも優しくすれば良いってもんじゃない。彼らのことを真剣に考えるなら厳しく当たる必要もあるという考えです。


例えば本当に受け入れる難民であるのかどうか1人1人調べて受け入れる慎重さ持つようにしたりする必要があります。


というのも、祖国の家族に仕送りをしている難民の中には家族を心配させないように気遣って給料安くて仕事が過酷で辛いなんて本音を語らずに「移民先は良い国だよ。給料も沢山貰って楽しくやってるよ」と嘘を吐いてしまう人達がいるせいで「うひょー、A国夢の国、俺も行くぅ!!」みたいな考えで移民の必要性、つまり祖国で職があったり身の危険も特にないのに移民しようときてしまう人達がいるからです(ちなみに嘘を吐いてしまう理由には家族を心配させないため以外にも両親が財産を投げうって移民できるように支援してもらって弱音が言い難いことなどもあるそうです)


そのため移民・難民庇護はあくまで生きていけない人達のための支援であると割り切ることで庇護する国の負担を減らし、本当に庇護が必要な人達に支援が回るようにするべきというのがこの考え方なワケです。


まあ、この対応で全部が丸く収まるワケではありませんが…


例としてA国に移民しようとしたら「A国に入国するためにはB国やC国を経由しなければ絶対に入れないハズですがB国C国に移民申請しないのは何故ですか? A国でなければいけない理由はなんですか? 理由がないならお帰り下さい」みたいな対応をすると「A国に移民できなかった帰りの駄賃ないから仕方が無いからB国に居座るわ」となってB国に移民が溜まりA国が移民を拒否したせいで大迷惑だとB国が不満を溜め込んで二国の関係性が悪化するなどの問題も考えられるからです(ちなみに考えなしに移民の通り抜け許可した方も悪いので特定の誰かのせいにするのはお門違いである)


更に国が庇護権を与えないことを決めても教会が庇護権を与えてしまい国が認めてない移民・難民が居座るというややこしい問題もあるそうです。


要は各国と影響力のある組織が厳格な対応を画一化してやらなきゃいけないって事ですね。言うは易し行うのは難しというやつですね。


他にも移民・難民への付き合い方に関して、移民先の国の言葉を覚える気がない移民・難民には言葉を覚えさせるようにするというのもあります。


言葉に不自由だからとコチラが気を遣うばかりしてると移民・難民たちが自分の身を守れなくなるからです。


一例としては契約更新に必要な書類だからサインしてと言われてサインしたら自分が不利になるような契約書だった。みたいなことがあります。


こういう、言葉さえ読めてれば騙されないこともあるのでコレは大事ですよね。ココでアレもコレもと助けてたら自立心の成長にも繋がらず祖国に帰らない事態を招くので手厚く扱えば良いというものではないと言う意見も出てくるのも解ります。


他にも移民・難民は弱者。少数派マイノリティ。だから庇護されるべき。自分たちの文化を尊重しろと権利ばかり要求してくることもあります。


これに関しては、多数派マジョリティ少数派マイノリティに合わせる必要があるなら少数派マイノリティも何かしら多数派マジョリティに合わせなくてはいけない。互いに歩み寄らなければ融和ではないとした考えや、少数派マイノリティ多数派マジョリティは状況によって容易く逆転することなどを指摘し、少数派マイノリティの定義や弱者だからと言って一方的に配慮しても互いのためにならないとした提案も存在した。


ちなみに少数派マイノリティ多数派マジョリティが状況によって変わる場合についてですが、移民街などの局所的な環境などが考えられます。また、キリスト教民主同盟(ドイツの保守政党。Christlich-Demokratische Union。通称CDU)のトーマス・シュトロープ【Thomas Strobl】によると2050年にはドイツ国内の外国人の割合が18~20%となり、都市によっては50%を越える場所が出るとのことでドイツ人のが少数派マイノリティになる事態が想定されています。


さて、ここまで、移民の積極的な受け入れに反対的な意見も多く出してきたので中立的な視点で考えるためにも逆の意見についても書いて行きましょう。


移民の積極的な受け入れは経済成長を促し、国家の発展に繋がるとも考えられています。


鋼鉄王アンドリュー・カーネギー

ビール会社創業者アドルファス・ブッシュ

映画プロデューサー サミュエル・ゴールドウィン

化粧品会社創業者ヘレナ・ルビンスタイン


他にもグーグルやインテル。ヤフー。米ラジオ会社RCAなどなど創業者(もしくは共同創業者)が移民である前例の多いアメリカでは経済発展と移民は切れない関係にあるため移民の受け入れ制限にはかなり賛否があります。


別の国で働きに来る時点で行動力が高いから移民は優秀なのが多いとも考えられてます。


実際、移民イメージが強いユダヤ人はノーベル賞受賞者が多いことから世界一頭の良い民族なんて称されたりなんかしてますし、優秀過ぎてユダヤ人陰謀論とか生まれたりするくらいですからね。


でも、優秀な人は嫉妬されますし、移民に国を乗っ取られると感情的に不安になって攻撃的になる人が現れるのはナチス時代で証明済みなので、やっぱり無制限な受け入れは猛反対されるのも事実です。


規約上から私、個人の考えでどちらを支持するかハッキリとは言えませんが現状、上がっている意見や問題、歴史を目を通すことでその国に適した対応を模索する必要のある問題であることを知っていただけたらと思います。


長くなりましたが私から以上となります。


では、また別の作品でお会いできることを願いつつ筆を置かせていただきます。

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