密かに心に住んだ君

@TWICE1115

第1話幻の帰り道

私は風見玲。小学4年生。最近進学塾に入り、学校の子よりも塾の子と一緒にいるほうが楽しいことを気づきはじめた。小さい頃から告白しかされてこなかった私は恋愛ドラマなどが大好きだけど、キュンキュンする気持ちも「好き」っていう感情も分からなかった。 少し気が強い私は学校ではモテるようなキャラではなかった。周りの女の子に合わせて「男子嫌い」と発した言葉。今ではもう口癖になっていた。でも、私は保育園の頃から女の子っぽくなかったためかあまり女の子は遊んでくれなかったため、よく男の子と遊んでいた。男の子といる方が気が楽で周りなんか気にせず遊べた。だけど、4年にもなるとうちの学年は女子と男子でぱっかり分かれていて女子の中ではリーダー格の子と定期的に遊び、男子とはなかよくしない。そんなの常識だった。でも塾は違う。勉強のためだけに来てる子がほぼ全て。騒ぐ子は大体落ちてく。いい環境だった。塾で一番初めに仲良くなった子は男の子だった。夏休み一緒に遊んだり、すごく短い距離だけど一緒に帰ったり、楽しかった。ただ2人で帰っているだけ。でも気楽で楽しくて。そこには何故か塾でトップの成績を誇る女の子2人などなぜか多くの人と一緒に帰るようになった。今思い出せば人生で一番楽しい幻のような時間だったと思う。まだそこまで勉強が難しい段階ではなかったから遊べた。最近下のクラスから上がってきた古戸川有志は律儀で、別にグループでも何でもないのに、入れてとまで言って

きた。

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