第8話 やつれた千代と珠樹の秘密

 やつれた千代




 よろよろになった千代に、乃理が肩を貸して戻ってきているのが見える。良かったー。でも肩を貸さなくちゃいけないまで弱っているのは心配だね。


「みんな疲れているし、今日はここで休む?」


 珠樹の声に、みんな賛成して、テントを出してもらい中に入った。ふぅーっと一息、今日も疲れたー。それはそうと、なんか千代が暗い顔をしているんだよね。なんか声かけたほうがいいかな?


「千代、暗い顔しているけど何かあったのかな?」


「食事後にでも、二人で話したいでござる」


「うん、分かったよ。じゃあ部屋に行くよ」


 約束をして、一旦部屋に戻ることにした。すっごく疲れていたから、とりあえずベッドにダイブ。ふぃー、安心するー。少し休憩、あーこのまま寝てしまいたいなー、いや寝ないけど。ゴロゴロして少しゲームをしていると、


「アミちゃん、ご飯できたよー」


「はーい」


 もうそんな時間かぁ、よし、ゲームをセーブして居間に向かおう。


「ご飯なにー?」


 のそのそと居間に出る。お、皆来ているね。なんか千代はよそよそしい感じがするけど。


「今日は、チキンカレーですよ」


「おおお! 早く食べよう!」


「では」


「「「「「頂きます」」」」」




 珠樹の秘密?




 ご飯を食べ終わって、(千代が何もしゃべらないから、瑠亜が少し心配していた)少しして、私は代美の部屋に来た。


「来たよー。話って何?」


「来てくれたでござるか、……話でござるが、簡単に言うでござる。珠樹殿はあの化け物かもしれないでござる」


 千代が少し言いづらそうにしてから、結論から言う。眠いから助かるね。でも、


「ん? どういう事?」


「言葉のままにござる。珠樹の腕が、あの化け物の腕になったのを拙者見たでござる……」


「にわかに信じられないけど。千代が嘘言うとは思えないから、うーん、じゃあ警戒するかな? でも珠樹もそこまで悪いことをするとは思えないし」


「そ、そうでござるが、何故秘密にしていたのか、また、あの姿で理性を保っているのか心配でござる」


「うーん、そうだね。じゃあ聞いてみよ……う」


 あ、時間切れ、眠い。


「ごめ、ねる」


「アミ殿!?」

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夢鬼と悪魔憑きの少女 月読雨月 @yaten666

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