【6】リースについて

※こちらの文章は作中に出てきたトピックに関する解説ページとなっております。物語の展開に一切関係ないので、興味のない方は読み飛ばして大丈夫です。


さて、今回は固定資産に関連して、リースの会計処理について説明しようと思います。このリースの処理ですが、結構会計の本質的な部分を表している処理なので、深掘りすると結構面白いです。


リースとは、リース資産を借りる会社が、リース会社に毎年決まった金額を支払う代わりに、機械などを長期間賃貸することをいいます。


これだけだとレンタルと同じような取引に思えてきますが、以下のような違いがあります。


・レンタル…貸手がすでに保有している資産を在庫から短期的(日・週単位)に賃借する。

・リース…借手が希望する資産をリース会社が購入し、それを長期的(年単位)に賃借する。


どちらもモノを貸してるから会計処理も同じになるんじゃないの?と思ってしまいますが、実は会計上は全く違う処理を行います。


ここで両者の仕訳を見比べてみましょう。


レンタルした場合の仕訳は以下の通りになります。


・レンタル開始時


仕訳なし


・レンタル料金支払時


レンタル費用 ○○○ / 現金 ○○○


レンタルを行なった時点においては仕訳は入力されない一方で、レンタル料金支払時にはレンタル料金相当分の費用が計上されます。


一方で、リースを行なった際の仕訳は以下の通りになります。


・リース開始日


リース資産 〇〇○ / リース負債〇〇○


・リース料金支払時


支払利息  〇〇○ / 現金   〇〇○

リース債務 ○○○


先程のレンタルと違い、リース開始日には何故か借方に資産、貸方には負債が計上されています。また、料金支払時には債務とその利息を支払うような仕訳が入力されています。


実は会計上、一定の要件(※1)を満たすリース取引は「固定資産の売買取引」に準ずるものとして、処理を行うこととされています。


これはリース取引が実質的には固定資産の購入と変わらないということに起因しており、たとえ法的には賃貸借取引であっても、実質的な面を重視してこのような処理が行われるということです。


ここではリースの細かい処理云々ではなく、「会計の世界は実質的な観点で処理が行われる」ということを知ってもらえたら何よりです。


※1この要件は「ノン・キャンセラブル」及び「フルペイアウト」と呼ばれており、ここではこの要件を満たすファイナンス・リース取引を想定して解説しています。会計上オペレーティング・リース取引に該当する場合はレンタルと同様の会計処理となります。

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異世界魔法簿記で会計が学べるラノベ 山根 琴歌 @yamanekotoka

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