第2話 仲良くなれそうには、ない!
「十文字、おまえの隣の席が空いてるな。池崎のフォロー頼んだぞ」
「先生。嫌です。拒否します」
「そんな固いこと言うな。池崎と仲良くなれば、将来有望になるかもしれないぞ?」
「はぁ?総理大臣の息子っていう、ただの一国民に何の価値があるんですか?」
「おのれ貴様ああああ!!」
池崎が激昂すると、廊下からハゲのおっさん達・・・SPが4人ほど入ってくる。ベランダ側からも2人。ここ二階だよね?どうやって登ってきたんだ?
入ってきただけで何もしてこないから、別にいいけどさ。教室が高身長のハゲに囲まれて、ちょっと窮屈になったぞ?
「貴様、僕と同じ空間で空気を吸えることをありがたく思え!!」
「なんだ?おまえがいることでリラックス効果でもあるのか?おかしいなぁー。俺めっちゃイライラするんだけどな」
「奇遇だな、僕もだよ」
睨みつけてくる池崎。絶対仲良くなれるはずがない。だってこいつは心愛を狙ってるんだ。全然信用ならない。
「先生、わたしが席を空けるので、わたしの席を池崎くんに使ってもらってください」
心愛が見るに見かねて妥協案を出してきた。
「斎藤、助かるぞ。おい、十文字。机を移動させるのくらい、手伝ってやれ」
「先生、そのままで良い。愛しい許嫁の机と椅子をそのまま使おう」
「アウトっ、アウトー!!」
俺は光の速さで隣の机と椅子を前の席と交換した。
心愛は俺の席の横で驚いた顔をして立ち尽くしている。
「陸くん、いつもは気だるそうに動くから、動きが速すぎてびっくりしちゃった」
「え?いつもはそんなに遅いか?」
「うん。大丈夫?無理してない?」
本気出したからね!今本気出さないでいつ出すんだ?警戒しないとやばいだろ。相手は総理大臣の息子だぞ?
さぁ前の席に来い、池崎。おまえに心愛は渡さない。
総理大臣の息子が転校してきて、俺の幼馴染を許嫁だと言ってくる〜幼馴染は俺の女だから渡さねぇ!〜 とろにか @adgjmp2010
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