擬似家族~そしてその愛の行方~

乙彗星(おつすいせい)

擬似家族~そしてその愛の行方~


 私には家族がいる。優しい母と妹達だ。

 母は私や妹達がえることがないよう必死ひっし面倒めんどうを見てくれた。


 私はそんな母をほこりに思い、母のようになりたいと考えてすくすくと成長した。

 いや、私は成長しすぎていた。とても成長期という言葉で片付けられるものではない。


 その事がきっかけで母や妹達と血がつながっていないのではないかと考える様になった。


 妹達は私より少し遅れて産まれてきた。

 実は私には産まれたその時、自分の為だけに妹達をがいする考えが脳裏のうりをよぎったがそれを思いとどまった記憶がある。


 そして現在、母と妹達は私の半分くらいの体格たいかくしかない。家がせまく感じるのは間違いなく私がいるせいだ。


 ……産みの親であるカッコウがこのモズの巣に托卵たくらんさえしなければ母がこんなに苦労する事はなかった。


 私には心に決めている事がある。

 それは誇れるモズの母の様に自分で子育てを行う事。


 不格好ぶかっこうでも子におもいを。愛を伝えよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

擬似家族~そしてその愛の行方~ 乙彗星(おつすいせい) @orznaburu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ