消指

KEIV

欠いたる指

いつも通り人の波に揉まれながら通勤電車に乗り、コンベアに乗せられた様に職場に向かって歩く。


SEシステム・エンジニアメインの職場は、いつも通りパソコンだらけだ。徹夜作業でもしたのか、紙の資料の山に埋もれて眠る人も数人見受けられる。自分の席に着き、パソコンを立ち上げを待つ間、朝のコーヒーを淹れに立つ。


席に戻る途中、ブルースクリーンのパソコンを見かける。

「確かあそこって××××さんの席だったよな……」

そう呟きながら席に戻る。























「全然進んでないな」

昼休み、隣の席に座った同僚にそう言われて、改めて気付く。進行目標の約3割。自分としては絶不調どころの話では無い程進みが悪い。あの席の事が頭から離れない。


昨日の事を振り返る。



























ある事に気付き、ゾッとする。

「いや。そんなハズないよな……」

そう言いつつ確信に至る。。正しくは。と言うべきだろう。2日前は確かに5本あったが、昨日は薬指・小指が欠けた3本だった。はっきり言って物凄く気持ちが悪い。吐き気すらする程に気持ちが悪かった。


お昼が終わり、席に戻るとそのパソコンはシャットダウンされていた。彼女が行方不明になっていると言う事を聞いたのは翌日だった。
























その事すら忘れかけたであろう、いや忘れていた、1年半後その事が起きた。朝、目が覚めると左手の薬指・小指が無い。。いつも通り仕事に向かい、いつも通り仕事をこなし、いつも通り家に帰る。


翌朝、目が覚めても頭がボーっとして何も出来ない。きっと……そう…………


































その日の午前中、ある1台のパソコンがブルースクリーンを表示していた。しかし、午後には消えていた。

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消指 KEIV @3u10REAPER

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