アーキタイプを使ってキャラクターをつくる

 元型アーキタイプについてはキャラクター篇の「キャラクター・ウェブでキャラクターを設計する」でも少し触れましたが、ここで改めてじっくりと掘り下げてみたいと思います。


※参考URL:キャラクター・ウェブでキャラクターを設計する

https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270/episodes/16816927862425197597


 アーキタイプを使った物語創作で参考にしたい書籍といえばなんといってもクリストファー・ボグラー著『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』です。

 本書は古今東西の神話や昔話に普遍的にみられる「英雄の旅ヒーローズ・ジャーニー」という構造を物語創作用にメソッド化した本としても有名で、ハリウッドの脚本界に革命を起こした世界的名著として知られています。


 今回は『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』に登場する8つのアーキタイプについて解説したいと思います。なお、アーキタイプは心理学や自己啓発など、物語創作以外のシーンでも使われることが多く、アーキタイプの分類・種類・数についてはかなり多くのバリエーションが存在しています(本やウェブサイトによってまちまちというのが実情です)。その点『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』の8つのアーキタイプは、物語創作に最適化されているのでおすすめです。


 まずは「元型アーキタイプとは何か」についてあらためて確認しておきましょう。そして「アーキタイプを使うとなぜよいのか」についても考えてみましょう。本からいくつか引用します。

 元型は、人の心の中にある普遍的な心理パターンでもあり、社会においてその人物が担っている役割でもあり、基本的な他者との触れ合い方であったりもする。元型はあらゆる人間の根本にあるものなので、文化の違いを超越した普遍的なアピール力を持っている。

 ストーリーに登場するキャラクターのベースに元型を使うと、ただちにそのキャラクターに重みが出るはずだ。それは、どのタイプの元型も、観客にとってなじみ深い根本的パターンのひとつだからだ。しかもこのパターンは、キャラクターの心理内だけにとどまらず、より大きな枠組みである社会とも相互作用するパターンである。

 元型を使うと、観客の心の奥深くに響き、とても強い感情が引き出される。ただし、元型は生のままだと切れ味の鈍いツールとなるだろう。そこに独創的なディテールをあたえない限り、そのキャラクターはごくありふれた一般的なものになってしまうからだ。

――『ストーリーの解剖学 ハリウッドNo.1スクリプトドクターの脚本講座』

 アーキタイプを提案したのは、心理学者カール・ユングです。人間はみな、共通のアーキタイプ群を持っているとユングは考えました。私たちが特定のイメージや行動に魅力を感じるのは、「集合的無意識」によって人生の意味や生き方、幸福感を感じとるからである、と説明したのです。脚本や小説などの創作にアーキタイプが役立つのはこのためです。

(中略)

 物語は人生を導くガイドであるとユングは考えました。私たちが成長し、一人の人間として自立する過程は「個性化」と呼ばれています。この個性化を果たすために、象徴的な特徴や行動パターンを示すアーキタイプが役に立つ、とユングは述べています。

(中略)

 アーキタイプは象徴的な人物像であり、人類共通の成長過程のモデルでもあります。ジョーゼフ・キャンベルはこのモデルを「英雄の旅」として発表し、ヒーローの成長モデルを12段階、12のビートで説明しました。このコンセプトは後に映画業界向けにカスタマイズされ、クリストファー・ボグラーの著書『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』によって紹介されました。

――『新しい主人公の作り方 アーキタイプとシンボルで生み出す脚本術』

 アーキタイプ(元型)とは、人物の性質を表す普遍的な型である。キャラクターを作る際、アーキタイプから発想する方法もある[『 新しい主人公の作り方』に詳しい]。

 神話や物語、そして、私たちの夢にも、アーキタイプを示す人物は繰り返し登場する。寓話や伝説にヒーローとして登場し、何かを象徴的に表したりもする。古今東西で似たようなストーリーやシンボルが見られるのも、アーキタイプに普遍性があるためだ。

――『クリエイターのための占星術 キャラクター、ストーリーと世界観の作り方』

 おとぎ話や神話の世界に足を踏み入れてすぐに気づくのは、登場人物のタイプや関係が何度もくり返されるということだ。冒険する英雄、英雄を冒険に誘う使者、英雄に魔法の贈り物を与える老賢者、英雄の道をふさぐ戸口の番人、変身の技能を持ち英雄を混乱させ惑わせる旅仲間、英雄を倒そうとする影をまとった悪党、現状をくつがえしたり息抜きを提供するトリックスター。こうした共通の登場人物のタイプ、その象徴、関係を説明するうえで、スイスの心理学者カール・G・ユングは、人類共有の遺産である古くからのパーソナリティのパターンを意味する、「アーキタイプ」という言葉を使っている。

 ユングは、「集合的無意識」と呼ばれる、「個人的無意識」と似たものの存在を主張している。おとぎ話や神話は、あらゆる文化圏で見られる夢のようなもので、集合的無意識から生まれてくる。個人レベルでも集合レベルでも、同じ登場人物のタイプがそこから生じてくる。このアーキタイプは、どんな時代のどんな文化においても一定で、全世界の神話的な空想ばかりか、夢や個人のパーソナリティにおいても同様だ。こうした力を理解することは、現代のストーリーテラーが知っておくべき秘訣のなかでも、何よりも強力な要素のひとつである。

 アーキタイプという概念は、物語における登場人物の目的や機能を理解するうえで、必要不可欠なツールだ。ひとりの登場人物のアーキタイプ機能を把握できれば、その登場人物が物語のなかで果たすべき役割を決める助けとなる。アーキタイプはストーリーテリングの普遍的な言語の一部をなし、そのエネルギーを使いこなすことは、ライターにとっては呼吸と同じぐらい不可欠なことなのである。

 ジョーゼフ・キャンベルはアーキタイプのことを、生物学的な、全人類の神経系統に組み込まれた身体器官の表現ととらえている。これらのパターンの普遍性が、ストーリーテリングの共有体験を可能にする。ストーリーテラーは、登場人物とアーキタイプの力が共鳴するような関係性を本能的に選び、誰にでも認識できる劇的な体験を生みだす。アーキタイプを意識すれば、創作技巧をさらに拡大していくことができるのである。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』


 いきなりユング(心理学者)やキャンベル(神話学者)の名前が出てきて面食らった方もいるかもしれませんが、あまり難しく考える必要はありません。アーキタイプはごく簡単に整理すると「人物の性質を表す普遍的な型」と定義できます。そしてその普遍性ゆえに、読者や観客もキャラクターに馴染むことができ、感情移入しやすくなるのです。

 

 以前「キャラクター・ウェブ」という考え方を説明しました。そこではキャラクター同士の関係の重要性を説いています。つまりキャラクターをむやみにたくさん登場させるのではなく、そのキャラクターが物語上どのような役割を担うのか、そして主人公にどのように関わるのか、が重要なのです。「書きたいから」という理由でキャラクターを登場させるのは得策ではありません。物語に登場するキャラクターには必ず何らかの役割があるのです。

「じゃあ、どんな役割があるのだろう?」と悩んだときに、使ってほしいのがこのアーキタイプという考え方です。前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題の8つのアーキタイプについて見てみましょう。


『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』で紹介されている「物語にいちばんよく登場してくる、書き手が理解しておけば必ず役に立つアーキタイプ」は下記のとおりです。


《8つのアーキタイプ》

英雄

師(老賢者)

戸口の番人

使者

変身する者

仲間

トリックスター


 では、順に紹介していきましょう。さらに詳しく知りたいという方はぜひ『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』をご一読ください。それぞれのアーキタイプの「心理的機能」と「演劇的機能」について、具体的な作品の例を用いて詳細に解説しています。


1:英雄

 物語の中心となる人物。

〈英雄〉のアーキタイプは、アイデンティティや完全性を探求する自我の象徴です。〈英雄〉には読者が物語に入っていくための入口を与えるという役割があります。読者は、物語の早い段階で〈英雄〉と自分を「同一視」し、〈英雄〉と一体化し、その視点を通して物語の世界を見るよううながされます。

 そのため、〈英雄〉には、普遍的な性質や感情のほか「復讐心、怒り、欲望、競争心、なわばり意識、愛国心、理想主義、冷笑、絶望など、誰もが一度や二度は持ったことのあるような動機」が必要となります。その一方で「ステレオタイプな人物や、欠点がなく言動が予想しにくい権力者などよりも、独自性をそなえている必要」もあります。つまり〈英雄〉には普遍性と独創性の両方がなければなりません。

 物語における〈英雄〉の役目のひとつに、学ぶ(成長する)ということが挙げられます。もし自作のキャラクターの中で誰が主人公なのか自分でもよくわからないという場合は「誰がいちばん学んだか(成長したか)」という観点で、改めてキャラクターを観察してみてください。物語の過程で最も学んだ、あるいは成長したキャラクターこそが〈英雄〉(=主人公)です。つまり「キャラクターアーク(=主人公の変化)」があるのが〈英雄〉ということです。

 また、〈英雄〉は自分より大きな何かのために、自分の望みを犠牲にできる人物として描かれます。「〈英雄〉は強く勇敢な人物と思われがちだが、こうした性質は二の次で、〈英雄〉の真の特徴は犠牲である」と本書は説いています。

 その〈英雄〉には、下記のようなさまざまなバリエーションがあります。自分の作品の主人公にふさわしい〈英雄〉をぜひ探してみてください。


・意欲的な〈英雄〉/乗り気でない〈英雄〉

・アンチヒーロー的な〈英雄〉

・集団志向の〈英雄〉

・一匹狼の〈英雄〉

・触媒としての〈英雄〉

  

〈英雄〉とは、変容する魂の象徴、人それぞれの人生の旅路の象徴である。前進の過程、人生と成長の自然な過程が、〈ヒーローズ・ジャーニー〉を形づくっている。〈英雄〉のアーキタイプは、物語の書き手や精神の求道者が探索をおこなうための豊かな場となる。キャロル・S・ピアソンは、著書『英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー─12のアーキタイプを知り、人生と世界を変える』で〈英雄〉をさらにいくつかの使いやすいアーキタイプ(幼子おさなご、孤児、殉教者、放浪者、戦士、援助者、探求者、求愛者、破壊者、創造者、統治者、魔術師、賢者、道化)に分け、それぞれの感情の進行を図示している。たくさんの面を持つ〈英雄〉を心理学的に深く理解するうえで、とてもよくできたガイドだ。また、女性の〈英雄〉がたどる特殊な道のりについては、モーリーン・マードックの著書『ヒロインの旅─女性性から読み解く〈本当の自分〉と創造的な生き方』に詳しい。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』


2:師(老賢者)

〈英雄〉を導く人物、もしくは原理。通常は〈英雄〉を助けたり鍛えたりするポジティブな人物として登場します。〈英雄〉に教え、〈英雄〉を守り、贈り物を贈るすべての登場人物の形で表現されます(映画『スター・ウォーズ』のヨーダやアーサー王伝説のマーリンなど)。

〈英雄〉にとって学ぶことが重要な役目であるのと同様に、〈師〉の重要な役目は、教え、訓練することです。そして贈り物を授けることも、〈師〉のアーキタイプの重要な役目です。また〈英雄〉が行動を起こして冒険に力を注ぐよう、動機になるものを示したり、物事を手配してやることもあります。

〈英雄〉と同様、〈師〉にもいろいろなバリエーションがあります。


・影のある〈師〉

・挫折した〈師〉

・永続的な〈師〉

・複数の〈師〉

・愉快な〈師〉

・シャーマンとしての〈師〉

・内なる〈師〉


3:戸口の番人

〈英雄〉の旅路の重要なターニングポイントとなる地点で障害となる力。具体的には国境警備兵、歩哨、夜警、見張り、ボディガード、山賊バンディードー、編集者、ドアマン、用心棒、入学試験官など、〈英雄〉の道を一時的にさえぎり、その能力をテストできる人物なら誰でも〈戸口の番人〉といえます。また〈英雄〉自身の恐れや疑いなどがこれに該当する場合もあります。

 なお〈戸口の番人〉が物語の中心をなす悪役や敵対者になることはほとんどありません。たいていは、悪役の補佐か取るに足らない悪党、あるいは悪役の拠点を守るために雇われた傭兵などがその役目を担います。

 旅の途上で〈戸口の番人〉から試練や試験を与えられた〈英雄〉はどうやってこの障害に対処すればよいのでしょうか?


・Uターンして逃げる

・正面から相手に攻撃する

・悪知恵や計略で切りぬける

・賄賂や懐柔策をとる

・敵に見える相手と手を組んで仲間となる


などさまざまな選択肢があります。


4:使者

〈英雄〉に行動を促す人や出来事。〈使者〉は〈英雄〉に動機を提供し、試練をもたらし、物語を動きださせます。〈英雄〉(と読者)に、変化と冒険が訪れるという警告を出すのも〈使者〉の役割です。

 物語の冒頭、〈英雄〉は「なんとかやっている」状態であることが多い。さまざまな防御策を講じ、物事に対処しながら、アンバランスな生活をやりくりしている。そこへ、新しい力が一挙に物語に流れ込み、ついにどうにも立ちゆかなくなる。新たな人物、状況、情報により、〈英雄〉のバランスが変動し、すべてがいままでとはちがうものになってしまう。決断をくだし、行動を起こし、争いに直面しなければならない。こうして〈冒険への誘い〉が、〈使者〉のアーキタイプとして現れた人物によって運ばれてくる。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』

〈使者〉のアーキタイプは、物語のどの時点でも登場しますが、特に多いのは第一幕で、〈英雄〉を冒険に駆りだす手助けをします。


5:変身する者

〈英雄〉や読者には本性が見ぬきづらい、とらえどころのないアーキタイプが〈変身する者〉です。〈英雄〉はひんぱんに〈変身する者〉と遭遇しますが〈英雄〉の観点からはたえず変化しているように見えます。〈英雄〉が想いを寄せる相手やロマンスのパートナーは、しばしば〈変身する者〉の性質を表します。

〈変身する者〉の演劇的機能は、物語に疑いやサスペンスをもたらすということだ。〈英雄〉が「この人は誠実に接してくれているだろうか?」「裏切ろうとしているのでは?」「本当に愛してくれているのか?」「味方なのか、敵なのか?」と問いかけつづけている場合、普通は〈変身する者〉が物語に存在している。

〈変身する者〉は、よくフィルム・ノワールやスリラーにさまざまな形で登場する。『三つ数えろ』『マルタの鷹』『チャイナタウン』などの映画は、誠実さや動機が疑問視される〈変身する者〉の女性に探偵が直面する物語だ。また、ヒッチコックの『断崖』や『疑惑の影』では、〈変身する者〉の男性を信頼する価値があるかどうか、善良な女性が判断を迫られる。

(略)

〈英雄〉役を共有する二人の男性か二人の女性を中心にした物語、いわゆる「バディもの」にも〈変身する者〉がよく登場してくる。二人組のひとりが伝統的な〈英雄〉らしくふるまい、観客がたやすく共感できるようになっている一方で、同性の片割れが〈変身する者〉を担い、誠実さや本性が疑わしく見える人物になるというのはよくあるケースだ。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』


6:影

 悪役、競争者、敵などの登場人物として登場します。あるいは、自分の嫌いな点、自分でも認めることのできない暗い秘密という場合もあります。

〈影〉の役目は、〈英雄〉に挑み、闘いで〈英雄〉の優れた敵となることだ。〈影〉は対立を生みだし、命の危険を感じるような状況に〈英雄〉を追い込んで、〈英雄〉から最大限の力を引きだす。よく言われることだが、強い敵こそが〈英雄〉を試練に立ち向かわせるものなので、物語の質は悪役の質にかかっている。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』

 また「物語を構築するうえで忘れないでほしい」点として、本書は次のように述べています。

「たいていの〈影〉の人物は、自分のことを悪役や敵だとは考えてもいないということだ。〈影〉の人物の視点からすれば、自分は自分の神話における〈英雄〉であり、観客にとっての〈英雄〉こそが悪役なのである」


7:仲間

〈英雄〉の変化を助けるキャラクター。〈仲間〉はさまざまな日常の仕事をこなすだけでなく、〈英雄〉を人間味のある存在に見せたり、〈英雄〉のパーソナリティに別の面を加えたり、〈英雄〉がもっと心をひらいてバランスを取るよううながすなど、重要な役目を担っています。

〈仲間〉が、捨て石にされたり、あるいは負傷したり、連れ去られたり、殺されたりして、そのことが〈英雄〉のモチベーションになる場合もあります。


8:トリックスター

 道化役のいたずら仕掛け人。茶目っけや、変化に対する欲求といった力の具現化として現れます。物語で主に道化やコミカルな相棒を演じる登場人物は〈トリックスター〉といえます。〈トリックスター〉は、下僕や〈仲間〉として〈英雄〉と〈影〉のどちら側にもつくことがあり、ときには風変わりな計画を持つ独立した人物ということもあります。

〈トリックスター〉はいくつか重要な心理的機能を担っている。誰かの大きすぎる自我に身のほどを思い知らせたり、〈英雄〉や観客を現実に引き戻したりする。健全な笑いを引き起こして人々の共通点を認識させたり、愚かさや偽善を指摘したりもする。そして何より〈トリックスター〉の大きな役目は、行き詰まった心理的状況のアンバランスさや不合理さに注目を集めるなどして、健全な変化や転換をもたらすことだ。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』


 さて、今回は8つのアーキタイプについてごく簡単に解説しました。『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』にはさらに詳細な解説がありますので、ぜひ手にとってみてください。

 構成に普遍的な「型」があるように、キャラクターにも普遍的な「型」があります。まずはしっかりとその「型」を押さえておくことで、オリジナリティあふれるキャラクターを生み出すことができるようになります。複数のアーキタイプを組み合わせることで魅力ある独自のキャラクターが誕生する場合もあります。

 また「自分の物語のキャラクターが物語上どのような役割を担っているのかわからない」という方は、ぜひ一度この「アーキタイプ」を使ってキャラクターを整理してみてください。アーキタイプは普遍的であるがゆえに、読者の心の奥深くに響き、とても強い感情が引き出すことができるのです。


 アーキタイプは、登場人物を表す果てしなく柔軟な言語である。各登場人物が物語のそのときどきで、どんな役目を演じることになるかを知る方法のひとつだ。アーキタイプを意識することで、書き手は登場人物をステレオタイプに陥らせることなく、心理的な多様性や深みを与えることができる。

 アーキタイプは、独自性を持った個々の登場人物を創作し、完全な人間を形成する普遍的な性質の象徴を生みだすために活用できる。登場人物や物語に心理的な現実味を与え、古代神話の知恵に合ったものにするうえでも、アーキタイプが助けとなることだろう。

――『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』


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