ジャンル篇
同じものだけど … ちがった奴をくれ!
今回は、ジャンルについて考えてみたいと思います。
カクヨムでは、作品を投稿する際に以下のいずれかのジャンルを選択しなければならない仕様になっています。
・異世界ファンタジー…ここではない異世界を舞台にしたファンタジー作品のジャンルです。
・現代ファンタジー…現実世界に連なる世界観で展開される、超常や異能など非現実的な設定が登場するファンタジー作品のジャンルです。
・SF…サイエンスフィクションから「すこしふしぎ」まで、空想科学小説のジャンルです。
・ラブコメ…主として男性が主人公の恋愛を中心テーマとして描かれた作品が対象のジャンルです。
・恋愛…主として女性が主人公、または同性間の恋愛を中心テーマとして描かれた作品が対象のジャンルです。
・現代ドラマ…男同士・女同士の友情やお仕事ものなど、現代社会が舞台の小説作品のジャンルです。
・ホラー…心霊、オカルト、デスゲームなど、「恐怖」を主題とした小説作品のジャンルです。
・ミステリー…謎の提示とその解決をテーマとした小説作品のジャンルです。
・歴史・時代・伝奇…歴史上に実在した人物をモチーフにした、ほぼ史実に即した作品や、架空の人物を登場させたり、実在の人物をモチーフにしても史実と違った展開をする作品を対象としたジャンルです。
・エッセイ・ノンフィクション…自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文や、虚構をまじえず、事実を伝えようとする作品を対象としたジャンルです。
・創作論・評論…小説をはじめとする創作全般について、並びにそれらを発表するメディアについての技術論や論評などを書いた作品を対象としたジャンルです。
・詩・童話・その他…詩や童話、または上記の枠にあてはまらない作品が対象のジャンルです。
――カクヨムヘルプセンター「小説のジャンルを選ぶ」より
https://kakuyomu.jp/help/entry/genre
既存のジャンルに収まりきらない作品を世に送り出したい人にとっては「この中からジャンルを選びなさい」式の投稿プラットフォームはやや窮屈に感じるかもしれません。しかし「異世界ファンタジー」というジャンルに投稿された作品であれば、「異世界ファンタジー」好きの読者が安心して読みに来ることができます。ジャンルを指定することは、投稿者・読者双方にとってメリットが多いといえるでしょう。
では、「あるジャンルの作品を書く」といった場合、何を書けばそのジャンルの作品を書いたといえるのでしょうか。例えば、中世風RPGゲームのような現実世界ではないどこかが作品舞台で魔法と剣が登場する作品を「異世界ファンタジー」と呼ぶことにそれほど違和感はないでしょう。しかし、ジャンルは、そのような世界観やガジェットといった表層的な要素のみによって定義づけられるものではありません。
ジョン・トゥルービーは、著書『ストーリーの解剖学』の中で、次のように述べています。
プロットに大きな影響をあたえるもうひとつの構造的要素はジャンルだ。ジャンルとはストーリー形式、つまりストーリーの特定の種類のことである。
(中略)
ジャンルは実はストーリーの下部組織のひとつだ。各ジャンルとも普遍的なストーリー構造の段階を、つまり7段階の道程と22段階の道程を、ジャンルによってそれぞれ異なる方法でたどりながらテーマを表現するものである。もちろん、いかなるジャンルも使うことなく優れたストーリーを語ることも可能だ。ただし、もしもジャンルを使うのであれば、そのジャンルなりの段階のたどり方をしっかりとマスターすることや、キャラクター、テーマ、ストーリー・ワールド、シンボルのそのジャンルなりの扱い方を学んでおくことが必要だ。それをしっかりと理解した上で自分独自の方法を見いださなければならない。それができれば同じジャンルの他のストーリーとさまざまな意味で似ているものの、独自性のあるストーリーを創作することができる。観客はジャンルが定まったストーリーを観る場合、その骨格がなじみのある形式でありながらも、ストーリーの肉となる皮膚は新しいものであることを期待する。
――『ストーリーの解剖学 ハリウッドNo.1スクリプトドクターの脚本講座』
もちろん、舞台設定やガジェットはそのジャンルを表現するうえで欠かせない要素であることは間違いありません。しかし、ジャンルは何よりもストーリーそのものに大きく関わるものなのです。つまり、そのジャンルにふさわしいストーリー構造が存在する、ということです。読者の感情的反応を引き起こしたいのであれば、そのジャンルのストーリー構造について熟知しておく必要があります。
これから書く物語がどのジャンルに該当するかを選ぶのは、おそらく脚本を書き始めるにあたって最も重要な決断だろう。その重要度を反映して、最近の脚本セミナーや指南書は、コメディやスリラーのような特に人気の高いジャンルを選んでページを割いて解説している。フランス語で「種類」を意味する「ジャンル」は、今では広く受け入れられている映画的物語の分類システムだ。外食するときはフランス、イタリア、メキシコ、タイ等、地域で選ぶが、映画という娯楽はジャンルで選ぶ。だから、ビデオ屋に行けば映画はジャンル別で並んでいる。あいうえお順の方が探していたタイトルを見つけやすいはずだが、そうはなっていない。ジャンルは、これから映画を観ようという人に、期待できる感情的体験を示唆できるのだ。
ジャンルを決めることがなぜ重要なのかというと、どのジャンルにも観客にとって認識しやすい感情が前もって梱包済みだからだ。ジャンルがわかれば、脚本を読む前からどんな内容が期待されるかもわかる。コメディの脚本なら、笑わせてくれることが期待される。スリラーなら、本能的なスリルが、緊張感溢れるプロットと、ショックと驚きに満ちた捻りが期待される。このような期待される感情がいかに巧みに伝えられるかによって、読者はあなたの脚本を評価することになる。約束どおりのスリルが与えられなかったら、読者は苛々しないまでも、がっかりするだろう。結果的にあなたの脚本は見送られる。
ジャンルという分類は、商業映画につきものだ。あるジャンルに分類された映画は、見覚えのある登場人物によって、そして見覚えのある世界観の中で繰り広げられる見覚えのある物語によって、一定の感情を刺激する。だからあるジャンルに属するということは、お約束どおりという見方もあるが、必ずしもそうである必要はない。もちろん、使い古された手を使って決まった感情を喚起すれば、お約束だ。しかしジャンルというのは、読者に確約されたある感情的反応を意味するのだから、その反応をどう起こすかは脚本家の腕と技にかかっている。だからこそ、どのジャンルにどのような感情的反応が期待されるのか知っておく必要がある。そのジャンルの最高傑作と最低の駄作を1本ずつ観て研究しよう。そして、読者のどのような感情のツボを突きたいのか考えながら物語を構築しよう。笑わせたいのか。泣かせたいのか。ドキドキさせたいのか。要は、選んだジャンルに期待される感情的反応を、今まで無かったような方法で引き起こすことだ。初心者なら、自分が年中観るような大好きなジャンルを選んで書くのがお勧めだ。なぜなら、自分がお金を払って観るジャンルであれば、そのジャンルに対する理解も深いはずだ。となると、ジャンルの枠を巧く飛び越えることがひとつの挑戦になる。
――『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』
今回(と次回以降)は、ロバート・マッキーの『ストーリー』とブレイク・スナイダーの『SAVE THE CATの法則』という2冊の世界的名著を参考にしながら、「ストーリーとジャンル」の関係について探っていきたいと思います。
ハリウッドの脚本世界でジャンルについて語られる際に決まって引き合いに出される言葉があります。それが「同じものだけど … ちがった奴をくれ!」です。ジャンルを定めることは、どのような作品なのか、読者(や観客)がある程度予想できるということでもあります。しかし、本当に予想通りの内容では読者は肩透かし食ってしまいます。そのジャンル固有のストーリーテリングに従いつつも、何か新しい要素を付け加えることが重要なのです(そこが多くの創作者が日々頭を悩ませている点でもありますが)。
「同じものだけど … ちがった奴をくれ!」をぜひ覚えておいてください。
何万年ものあいだ、物語は団欒の場で語られてきた。文字で記されるようになって4,000年、演劇が生まれて2,500年、映画が生まれて100年、テレビ放送がはじまって80年。この間、無数の語り手がストーリーをつむぎ、驚くほど多彩な模様を織りあげてきた。こうして生まれた作品に意味づけをするために、さまざまなシステムが考案され、共通の要素に従ってストーリーを整理して、ジャンルごとに分類してきた。しかし、どの要素を使って分類するかはシステムによって異なり、ジャンルの数と種類についてもいろいろな考えがある。
アリストテレスは、結末とストーリー設計の価値要素に従って演劇を分類し、はじめてジャンルというものを示した。その説によると、ストーリーの終わり方には、喜劇的なものと悲劇的なものがある。このふたつのタイプはそれぞれ、筋が単一なもの(転換点や驚きがなく、平坦な終わり方をする)と、筋が複合的なもの(クライマックスで主人公の人生に大きな逆転がある)に分けられる。つまり、アリストテレスによる基本分類は、筋が単一で悲劇的なもの、筋が単一で喜劇的なもの、筋が複合的で悲劇的なもの、筋が複合的で喜劇的なもの、の4つである。
――『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』
いきなりアリストテレスが登場して面食らった方もいるかもしれませんが、物語を分類する方法についてはずいぶん昔からいろいろなやり方が模索されています。
ロバート・マッキーは他にも、ゲーテによる7つの分類(恋愛、復讐など、主題による分類)や、フランスの劇作家ジョルジュ・ポルティによる「36の劇的境遇」(読者の感情を36通りに分類)の例を紹介しています。
では、ロバート・マッキー自身はジャンルをどのように分類したのでしょうか。以下の分類は「理論ではなく実践から生まれたものであり、主題、設定、役割、出来事、価値要素のちがいによって分類されている」とマッキーは述べています。
※本書は映画脚本をベースにしているため、小説のジャンルとしては不適当なジャンルを含んでいますが、その点ご了承ください。
1:ラブストーリー
サブジャンルである仲間の救済では、恋愛ではなく友情が描かれる
2:ホラー映画
以下の3つのサブジャンルに分けられる
・異常:恐怖の原因は、地球外生物、科学の力で作られた怪獣、異常者などで、恐ろしくはあるが合理的な説明ができる
・超常:理屈では説明できない心霊現象が恐怖をもたらす
・超異常:前述のふたつのサブジャンルのどちらなのか、観客を混乱させる
3:モダン・エピック
現代叙事詩、個人と社会が対決
4:西部劇
5:戦争映画
戦争はラブストーリーなど、ほかのジャンルの背景となることも多いが、このジャンルは戦闘をくわしく描く。おもなサブジャンルとしては、戦争賛美と反戦がある。
6:自己形成プロット
=成長物語
7:贖罪プロット
作中で主人公の倫理観が悪から善へと変わる
8:懲罰プロット
善良な人間が悪の道へ落ち、懲罰を受ける
9:試練プロット
意志の力と誘惑の対立を描く
10:啓発プロット
このジャンルでは、人生や他人や自分自身に対する主人公の見方がマイナス(愚直、不信、諦念、自己嫌悪)からプラス(聡明、信頼、楽観、自己信頼)へと大きく変化する
11:幻滅プロット
主人公の世界の見方が楽観から悲観へと大きく変化する
《以下にあげるジャンルはメガジャンルとも呼ぶべきもので、規模が大きく複雑であるため、数多くのサブジャンルに分かれている》
12:コメディ
サブジャンルには以下のものがある。すべて、からかう対象(官僚主義の愚かさ、上流階級の作法、ティーンエイジャーの求愛行動など)と、笑いの程度(穏やか、辛辣、強烈)が異なる
・パロディ
・風刺劇
・ホームコメディ
・ロマンティック・コメディ
・スクリューボール・コメディ
・笑劇
・ブラック・コメディなど
13:犯罪映画
サブジャンルはだれの視点から犯罪を見るかによって決まることが多い。
・殺人ミステリー(名探偵の視点)
・計略(犯罪者の視点)
・刑事(警官の視点)
・ギャング(悪党の視点)
・スリラー、復讐(ともに被害者の視点)
・法廷(法律家の視点)
・新聞(記者の視点)
・スパイ(スパイの視点)
・監獄(服役囚の視点)
・フィルム・ノワール(視点人物は犯罪者、探偵、魔性の
14:社会ドラマ
社会問題――貧困、教育制度、伝染病、社会的弱者、反社会的運動など――を特定し、その解決を扱うストーリーを構築する。焦点を鋭く絞ったサブジャンルが数多くある。
・ホームドラマ(家庭内で起こる問題)
・女性映画(仕事と家族、恋人とわが子とのあいだでのジレンマなど)
・政治ドラマ(政治の腐敗)
・環境問題ドラマ(環境保護のための闘い)
・医療ドラマ(病気との闘い)
・サイコドラマ(精神疾患との闘い)
15:アクション/冒険
戦争映画や政治ドラマなどのジャンルからいくつかの要素を採り入れ、そこから危険なアクションや大胆な行為を誘発する。アクション/冒険の映画が運命、神への不遜、宗教性といったテーマを取りこむと、ハイアドベンチャーというサブジャンルになりうる。大自然と敵対する場合は、災害/サバイバル映画である。
《さらに視野をひろげると、設定、演技スタイル、映像技術のちがいによって生まれた以下のようなスーパージャンルがあり、それぞれのなかにいくつかの独立したジャンルがある。スーパージャンルは多くの部屋を持つ豪邸のようなもので、基本ジャンルやサブジャンル、あるいはその組み合わせが内在している。》
16:歴史ドラマ
歴史には素材となるものが無尽蔵にあり、考えうるあらゆる種類のストーリーが埋もれている。現代社会での争いの多くはあまりにも凄惨で、激しい対立を招いているものが多く、現代を舞台としたドラマで観客を引きつけるのはむずかしい。そういった問題も、かなりの時間を置けば安心して見守ることができる。歴史ドラマは過去を磨きあげて現代を映す鏡とし、悲惨な問題をわかりやすく鑑賞に堪えうる作品とする。
17:伝記
歴史ドラマに近いものだが、時代よりも人物に焦点をあてたものである。だが、伝記は単なる年代記になってはならない。ある人物が生まれてから死ぬまでのあいだに何かおもしろいことをした、というだけでは、学術的関心以上のものを望めない。伝記の作り手は事実をフィクションのように解釈し、対象となる人物の人生の意味を見いだして、その人生における主役にしなくてはならない。
18:ドキュメンタリードラマ
歴史ドラマに近いが、ドキュメンタリードラマは過去の出来事よりも最近の出来事に焦点をあてたもの
19:モキュメンタリー
事実や記憶をもとに作られたドキュメンタリーや自伝のように装っているが、完全なフィクション。事実に基づく映画制作のふりをして、偽善に満ちた社会制度を風刺する。
20:ミュージカル
オペラから派生したジャンルであり、登場人物が歌と踊りでストーリーを伝えて「現実」を表現する
21:SF
科学の発達した仮想未来のストーリーで、暴政と混沌に支配されたディストピア(暗黒郷)を舞台とすることが多い。個人と社会が対決するモダン・エピックにアクション/冒険を結びつけたストーリーとなることがよくある
22:スポーツ
スポーツは登場人物が変化をとげるための試練であり、以下のプロットを作りやすい。自己形成プロット、贖罪プロットと、啓発プロット、懲罰プロット、試練プロットとして、幻滅プロット、仲間の救済プロット、社会ドラマ。
23:ファンタジー
時間、空間、物質を自由に使い、自然界、超自然界の法則をゆがめたり、混ぜ合わせたりする。現実を超越したファンタジーの世界はアクションの舞台となることが多いが、ほかのジャンルにも用いられる。
24:アニメーション
どんなものでも別の何かになれる、という万国共通の変身のルールが土台になっている。
25:芸術映画
芸術映画は伝統的ジャンルとなっていて、ミニマリズムと反構造のふたつのサブジャンルに分類できる。それぞれに独自の構造と宇宙観の約束事がある。歴史ドラマと同様に、芸術映画はスーパージャンルとして、ラブストーリーや政治ドラマなど他の基本ジャンルを内包している。
以上、ロバート・マッキーの25のジャンルを紹介しました。複数のジャンルを内包する「スーパージャンル」や「メガジャンル」のような概念も導入しており、ジャンルを網羅することの難しさがうかがえます。
ともあれ、自分がどのジャンルの物語を書こうとしているのか、を正しく認識することは重要です。
脚本家がまずこなすべき課題は、自分のジャンルを特定し、そこでの約束事を調べることだ。この課題から逃れることはできない。われわれはみな、ジャンル作家なのである。
――『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』
では「ストーリーとジャンルの関係」についてマッキーの解説を見ていきましょう。
どのジャンルにも、ストーリーを設計する上での約束事があるとマッキーは述べています。ジャンルの約束事とは、個々のジャンルとサブジャンルを規定する具体的な設定、役割、出来事、価値要素のことです。
例えば、
11:幻滅プロット→主人公の世界の見方が楽観から悲観へと大きく変化する
の作品には以下のような約束事があります。
・第一の約束
主人公がはじめは楽観的で高い理想と信念の持ち主であり、人生観も前向きである
・第二の約束
ストーリーがマイナスの方向へと繰り返し転じていく。最初は希望を捨てずにいた主人公も、しだいに夢や価値観がむしばまれていき、ついには夢破れて懐疑的な人間になる
このような約束事(決まり事)のせいで作者の創造性が奪われてしまうのではないかと心配する必要はありません。なぜなら「人生が絶望へと至る道」のバリエーションいくらでも存在するからです。その無数のバリエーションの中から何を選択するかが、作者の腕の見せどころなのです。
読者はこうした約束事を承知し、約束どおりの展開を予想しています。それゆえ、ジャンルを選ぶことによって、ストーリーのなかでできることの限界がはっきり見えてきます。読者の知識と期待を見越した上でストーリーを設計しなくてはならないからです。読者が何を予測し、何を期待しているのかを知らなければ、そのジャンルで読者を獲得することはできません。つまり、自分の書こうとしているジャンルについて作者自身はどれくらい知っているのか、を問われているのです。
われわれはみな、ストーリーの偉大な伝統の恩恵をこうむっている。脚本家は自分の書くジャンルとその約束事を尊重し、それに精通する必要がある。そのジャンルの映画を多く観たからといって、知っていることにはならない。ベートーヴェンの交響曲を九番まですべて聴いても、交響曲を作れないのと同じだ。まず形式を学ばなくてはならない。それにはジャンルに関する批評の書物が役立つが、最新事情についてのものは少なく、完璧なものはない。それでも、できるかぎり目を通すことだ。役に立ちそうなものはなんでも入手しよう。とはいえ、最も価値のある見識は、自己発見から得られる。埋もれた財宝を発掘することほど想像力を刺激するものはない。
ジャンルを学ぶ方法を提案しよう。まず、自分の作品と似ていると思えるものを、成功作も失敗作もすべて合わせて一覧にする(失敗作から学べることは多く、謙虚な気持ちになれる)。つぎにその作品のビデオを借りて、可能なら脚本も買う。そして、脚本とゆっくり照らし合わせながら映画を再生し、設定、役割、出来事、価値要素を細かく検討する。最後に、分析結果を積み重ねて、上からひとつひとつ見ていく。自分のジャンルのストーリーに共通するものは何か。時間、場所、登場人物、行動の約束事はなんだろうか。その答えが見つからないかぎり、観客に追いつくことはできない。
観客が予想していることを予想するためには、自分のジャンルとその約束事に精通しなくてはならない。
――『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』
と、ここまででかなりの長文になってしまいましたので、続きは次回にさせていただきます。
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