死神の目契約センター

なかの

死神の目契約センター

「こちらで死神の目の契約ができると聞いたのですが」

僕は受付のお姉さんにそういった。


「はい!こちらで承っております!そちらにかけて少々お待ち下さい!」

お姉さんはそう言って、椅子を指差した。


「今回はどういったご用件ですか?」

お姉さんは目の前のテーブルごしの椅子に座って改めて聞き直した。


「友達から、こちらで死神の目の契約ができると聞いたのですが・・・!」

僕は伝える。


「はい、ではかんたんに死神の目のコースについて説明させていただきますね!」

お姉さんはそう言ってフリップのようなものを出して説明を始めた。


「こちら、3つのコースがありまして、7000円と1万円と1万5千円のコースがあります」

お姉さんは3つのコースを指差しながら話を進めた。


「え、コースがあるんですか?何が違うんですか??」

僕は聞き返した。死神の目にコースなどあるのだろうか。


「はい、これから説明させていただきますね!基本的に全て機能は一緒です!」

「人の寿命が見えるようになるんですよね?」

お姉さんの説明に僕が聞き返す。


「そうです!そうです!」

お姉さんは喜んで続けた。


「なにが違うんですか?」

僕は聞き返す。


「はい、こちら基本的には一緒なんですが、データ量が違います!」

「データ量・・・」

死神の目のデータ量とはいったい・・・


「こちら一人のデータを処理するごとに、計算が走っておりまして、その人数によって処理代金が発生していたのですが、昨今では定額の需要がたかまっておりまして、3つのプランを用意させていただいてます!」

「なるほど・・・けど一回も使ったことないからどれにしたらいいかわからないですね」

僕はつぶやいた。

そう、どのぐらいの量が僕に必要なのかまったくわからないからだ。


「でしたら、この1万円のベーシックプランがおすすめです」

お姉さんは真ん中のコースをおすすめしてくれた。


「うーん、でも役に立つかわからないものにいきなり1万円はしんどい感じがします。一旦7,000円のコースでも大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です!」

彼女はにっこり笑って言った。


「途中で容量を変更したくなった場合、スマホでかんたんにできますのでこちらのサイトからやってみてください!」

「なるほど、それはすごい便利!わかりました!じゃあやっぱり7,000円のプランで大丈夫です!」

僕はそれで契約した。


「で、こちらオプションなのですが!」

お姉さんはそう言ってあたらしい、フリップを出した。


「シンプル保証パック、スーパー保証パック、マックス保証パック・・・」

新しいフリップを読みながら僕はつぶやく・・・これはいったい・・・


「こちら保証期間にあわせてお値段が変わっております。シンプル保証パックが500円。スーパー保証パックが2,000円。マックス保証パックが5,000円になります!」

お姉さんはそういった。


「結構違いますね」

僕はつぶやいた。今回はお試しのつもりだから500円のパックに入った。


「ほかにもたくさんありますが・・・」

「今回は一旦全部なしで大丈夫です!」

ぼくはつぶやく。


「もし、ご家族の方にお使いの方がいらっしゃれば、さらにお安くできるのですが・・・」

お姉さんは説明を続ける。オプションを選んだら終わりかと思ったらさらに続くらしい・・・契約するのがこんなに大変だとは・・・


「あ、いないです」

僕は答えた。


「もし、お家で使うことが多ければ、特定エリア割というのもございます!」

お姉さんは続ける。さらに細かい割引があるらしかった。


「一旦大丈夫です!」

僕はもう大丈夫ですという、気持ちを伝えた。


「それでは、7,000円のコースでシンプル保証パックが500円、請求書は紙ではなくインターネットで確認するので無料になっております」

お姉さんは続けた。


「はい、わかりました!ありがとうございます!」

僕はお姉さんに告げた。


「それでは、只今より死神の目の契約を始めさせてもらいます!目を閉じてください!」

お姉さんが言った。

これから死神の目の契約が始まった。


「では目を開けてください!」

お姉さんは言う。これで契約は完了したのだろうか??


「おおお、すごい!」

僕はあたりを見回した。


「すごい・・・10,950日・・・」

僕は目に見えた寿命を読み上げた。


「お客様、寿命を口に出すのはお控えください!」

お姉さんはにっこりわらってたしなめるように言った。


「はい、すいません!」

ぼくはつぶやいた。


「こちらで大丈夫そうですか?」

お姉さんは僕にきいた。


「すいません・・・」

ぼくはお姉さんに聞くことにした。


「はい!」

お姉さんはにっこり笑っている。


「この10,950日を年に治す方法はないんですか?」

僕は聞いた!


「はい、年変換オプションがございます!」

お姉さんはにっこり答えた。


「あ、あるんですね!それも追加できますか?」

僕は聞く、それがないとあまり死神の目の意味がないと言える。


「はい、月額500円になります!」

お姉さんは言った。


「結構しますね・・・うーんまぁいいや!お願いします!」

僕はお姉さんにお願いした。


「それでは、7,000円のコースでシンプル保証パックが500円、最後に追加した年変換機能500円、こちらになります!」

お姉さんは言った。


「はい、それでお願いします!」

僕はそういって契約を終了した。

死神の目の契約は難しい・・・


(完)

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