第2話

今まで沢山の母親の友人を見てきましたが

なんだか距離が近いような気もします

はて、なんでしょう

初めて感じる気まずい雰囲気に

思わず誰?と聞いてしまいました


気まずそうに母親が打ち明けます

彼氏です、と


動揺しました

動揺という言葉はまだ知りませんでしたが

動揺してしまいました


私が思い描いていた彼氏とは

かっこよくて

背が高くて

足が長くて

王子様みたいな人です

…この人で本当にいいんだろうか?


とても疑問でした

腑に落ちなくしかめっ面をしてる私に彼氏さんは優しく微笑んでいました


なんだか心がキュッとくるしくて

自分の部屋に逃げました

母親をとられた気がして

やるせなくて

今思えばただのやきもちですが

その時は初めての感情で涙が止まりませんでした


しくしく

シクシク


泣いていれば母親が来てくれるかな?

そんなちょっとずるいかななんて


ですが来てはくれませんでした

不貞腐れているだけだと思ったのでしょう


泣いているうちに寝てしまい

お夕飯の時間です

一緒に彼氏さんといたくないと思い

ひいお爺ちゃんの家に行きました


彼氏さんはどう思ったのだろう

悲しんでしまったかなあ

ごめんね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

白桃のような子 @yonezu1117

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る