白桃のような子

第1話

これは私と家族のお話


ふわふわの雪がこんもりと積もっている季節私は生まれました


くしゃくしゃの顔と控えめな産声

母親譲りの白い肌に

父親譲りの顔


私の名前は もも とつけられました


久々の赤ちゃんを親戚はとても喜びました

床に寝かせるのを惜しみ

代わりがわりに抱っこして貰っていました

なんて幸せ者なんでしょうか


産まれてすぐに

父親がいなくなってしまいました

いわゆる離婚というやつです

詳しくは教えてくれていませんが、結婚した途端に働かなくなってしまったそうです

( かなりソフトに教えてくれましたが、ただのヒモ男ですね )


父親はいませんでしたが、代わりにひいお爺ちゃん達がいました

皆さん目に入れても痛くないと言われるほど可愛がってくれました


お部屋には沢山のはやりのおもちゃ

冷蔵庫にはたくさんのアイス


きっと周りが不憫に思い甘やかしてくれてたのでしょう

たくさんの愛をくれていました


母親は夜のお仕事をしていました

なので基本的にはひいお爺ちゃん、ひいお婆ちゃんと一緒の生活です

たまに母親と一緒に寝ると違和感を覚えるぐらい一緒にいませんでした


幼稚園に入り、年中さんになりました

母親のおうちに行くと、男の人がいる事が多くなりました。

くまさんみたいな大きな体に

長めの髪の毛

顔はあひるさんみたいなぼけっとした顔


____ お世辞にもかっこいいとは言えません


誰だ?この人は

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