『ルールブック・裏(初版)』

【野球式クイズ対決について】

 野球拳式クイズ対決とは、野球とクイズを掛け合わせた野球式クイズ対決に、更にを加えた驚天動地のクイズ対決である。

 このクイズ対決は、全国で唯一私立剣ヶ峰学園高等部にある私立剣ヶ峰学園高等部クイズ部、通称・剣高クイズ部にのみ存在している。

 考案者は剣ヶ峰けんがみね霧子きりこという現在17歳の女子高生である。※誕生日は7月3日。


【野球拳について】

 野球拳とは、本来は芸妓遊びの1つとして、その名が上がるが、この野球拳式クイズ対決に加えられた野球拳はそれではなく、往年のバラエティー番組などで取り扱われた野球拳である。

 ジャンケンに負けると衣服を1枚脱ぐというのがバラエティーの野球拳であり、野球拳式クイズ対決はそれを取り入れている。

 野球拳式クイズ対決の場合、試合中に1点奪われると野球拳でジャンケンに負けた時と同じ扱いになる。

 野球拳を加えたことにより、野球拳式クイズ対決は、通常の野球式クイズ対決と基本的にルールは同じであるが、失点すれぱするほど身ぐるみを剥がされていくという羞恥デスゲームになっている。


【着用物について】

 野球拳式クイズ対決には、着用物と呼ばれる物がある。

 着用物とは、単純に言えば衣服のことであるが、衣服だけでなく装飾品や所持している物も着用物に含まれるため、野球拳式クイズ対決では着用物と呼んでいる。

 野球拳式クイズ対決を行う際、互いに身に付ける着用物は基本的に10点までと定められている。これは、10点差で即試合終了コールドゲームとなる野球式クイズ対決を踏襲した数であり、10点差が付くと敗者は

 この10点の着用物に関しては、試合開始前に互いに身に付けている物を記入した用紙を相手に提出する決まりとなっている。

 これは、10点差が付いているのにも関わらず全裸にならないという不正行為を防ぐためである。

 なお、着用物において、1点が必ずしも1つの着用物になるとは限らない。

 左右に手袋を着用していて左右それぞれの手袋を別々にカウントする場合や、逆に靴と靴下など密接した2点をセットで1点とする場合がある。


【脱衣と着衣について】

 野球拳式クイズ対決は、失点すると文字通り着用物を1点奪われるが、点を取り返すと再び着用することが出来る。

 そして、試合終了時により多くの着用物を所持していた側が勝利となる。


【試合後半の特例について】

 野球拳式クイズ対決は、前半戦においては失点すると着用物を1点奪われ、その後に得点を取り返すと着用物を取り返す決まりになっているが、試合後半になるとそれに限らなくなる。

 試合後半となる6回以降は奪われた着用物を取り返さずに相手の着用物を奪うことが出来る。

 つまり、後半戦は互いに脱がされ続ける可能性がある。

 ただし、得点した側が着用物を取り戻すという選択も認められている。


【脱衣についての備考】

 点を奪われた際、どの着用物を相手に渡すかは点を奪われた側が任意で決めることが出来る。

 その為、点を奪われた側が望むのであれば最初の1失点目からいきなり下着(パンツ)を脱いで渡すということも出来るが、通常は靴や上着などから渡していくのが定石である。


【7回の奇跡について】

 7回の奇跡はセブンズチャンスと読む。

 7回の奇跡セブンズチャンスとは、7回の攻撃時の得点に限られた脱衣についての特例中の特例である。

 本来ならば、点を奪われた側が任意に脱衣する着用物を選択するが、7回の得点に限っては点を奪った側が選択肢を持ち、何を奪うか決めることが出来るというものである。

 これにより、通常ならば脱いでも支障のない靴下などから脱いでいく野球拳において、その支障のない物を無視出来ることになる。

 ただし、点を奪った側が選択出来るのはあくまでも外側からである。

 仮に、女性が上半身に下着を含めて四枚重ね着していたとするならば、上半身を裸にするには4点を奪う必要がある。これは男性においても同じである。

 外側から脱がすという順序に当たらないものは、靴、靴下(タイツは除く)、ネクタイ類(マフラー含む)、帽子、手袋、ピアス、眼鏡、その他の所持品類であり、これらは全て脱衣の順序から除外して無視することが出来る。

 仮に女性の着用物が下記の通りだったとする。

 ①パンツ※下半身重ね着対応

 ②ブラジャー※上半身重ね着対応

 ③スカート※下半身重ね着対応

 ④インナーシャツ※上半身重ね着対応

 ⑤ワイシャツ※上半身重ね着対応

 ⑥ブレザー※上半身重ね着対応

 ⑦靴と靴下※重ね着非対応

 ⑧手袋(左右)※重ね着非対応

 ⑨リボン※重ね着非対応

 ⑩ピアス※重ね着非対応

 この場合、7回の奇跡セブンズチャンスにおいて⑦から⑩までは無視出来る。

 つまり、下半身が2点、上半身4点、その他4点という状態になる。これは、男性においても同じである。

 7回の奇跡セブンズチャンスは薄着になる夏場ほど恐ろしい効力を発揮する、まさに奇跡の必殺技ミラクルウェポンなのである。


【禁忌の接吻について】

 禁忌きんき接吻くちづけとは、ノーサイド・キスとも呼ばれている最終兵器である。

 禁忌の接吻ノーサイド・キスがその効力を発動させた場合、その時点まで行われていた野球拳式クイズ対決は即試合終了となり、試合結果は無効試合となる。

 その発動にはいくつかの制約があり、以下の通りである。

 その①、発動者が得点上位者であること。

 その②、発動時が6回表以降の試合後半で尚且つ発動者の攻撃中であること。

 その③、発動者は女性に限ること。

 その④、発動時は7秒以上継続してキスをすること。

 その⑤、発動者は告知抜きに禁忌の接吻ノーサイド・キスを発動すること。

 以上の条件が揃った時に禁忌の接吻ノーサイド・キスを使うことで試合を無かったことに出来る。

 しかし、通常ならば使われることがないのがこの禁忌の接吻ノーサイド・キスである。

 なぜなら、禁忌の接吻ノーサイド・キスの使用権利を持つ対象者は、試合後半で得点上位リードしている上に攻撃中なのでわざわざ無効試合にする必要があるとは考えられないからである。

 また、禁忌の接吻ノーサイド・キスを発動したものの、無効となった場合、以後は両者ともに試合終了まで禁忌の接吻ノーサイド・キスが使えなくなる。

 禁忌の接吻ノーサイド・キスが発動後に無効となるのは、主に制約その④を満たせなかった場合である。

 ※他の制約は発動前に可否が確定している。

 制約その④は、キスの継続時間が7秒未満で唇が離れてしまった場合や唇と唇によるキスでなかったりする場合に未了となる。

 ただし、相手が禁忌の接吻ノーサイド・キスに対して異議を唱える(正式に拒む)までは再度、禁忌の接吻ノーサイド・キスに挑むことが可能である。

 なお、禁忌の接吻ノーサイド・キスの際に舌を入れるのはされている。

 ※禁忌の接吻ノーサイド・キスを発動した例が確認されていないため、舌を入れた者もいない。


【絶対不可侵領域について】

 絶対不可侵領域とは、ノータッチエリアと読む。

 絶対不可侵領域ノータッチエリアとは、野球拳式クイズ対決においてハンデのような物である。

 絶対不可侵領域ノータッチエリアに指定された着用物は10点の着用物から除外されるため、指定された物によっては10点差で負けても全裸にならずに済む。

 しかし、これはあくまでもルールとして存在しているだけで、未だに使われたことは一度もない。



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野球拳式クイズ対決 ~学園の支配者!女帝・剣ヶ峰霧子篇~ 貴音真 @ukas-uyK_noemuY

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