『ルールブック・表(初版)』
【野球式クイズ対決】
野球式クイズ対決とは、野球とクイズを掛け合わせた新感覚のクイズ形式である。
野球のように敵と味方に別れ、互いに攻撃(回答)と守備(出題)を交互を繰り返す対決型クイズ形式であり、本来の詳しい野球のルールを知らなくても出来るため、クイズ好きな人にも一般人にもよく知られている人気のクイズ形式で、野球式クイズ対決を行うテレビ番組がゴールデンタイムにレギュラー放送されている。
一般参加による全国大会や学生同士による公式戦も開催されている。
【参加人数】
2人から
※300対300で150回まで試合を
【個人戦と団体戦】
野球式クイズ対決には、1対1で行う個人戦と複数人対複数人で行う団体戦がある。
公式ルールでは、団体戦は各チームそれぞれレギュラー回答者9人、代打要員3人までの参加が認められているため、公式の団体戦では最大で12対12となる。
※代打要員は必ず揃える必要があるというわけではないため、公式の団体戦は9人から参加可能。
【審判】
野球式クイズ対決には試合の参加者の他に審判を設けるのが適当であり、公式ルールに乗っ取った公式戦では、主審1人と副審2人の計3人の審判が設けられる。
審判は様々な場面で両チームの不正を監視する役目があるため、完全に中立な者を審判にすることが望ましい。
※非公式戦では、審判を設けないこともある。
【試合形式】
試合はそれぞれ、回答者が攻撃側、出題者が守備側となり、9回+延長戦を行う。
※非公式戦の場合、9回に限らず回数が増減することがよくある。
守備側である出題者が野球の投手が球を投げるように1問ずつクイズを出題し、攻撃側である回答者がそれに答える、というのが試合の流れである。
回答が不正解ならストライクとなり、2連続不正解ならばアウトとなる。そして、スリーアウトを取ったら攻守が入れ替わる。
野球式クイズ対決の初心者がよく間違えるが、野球式クイズ対決は本来の野球に適用されている3ストライクでアウトになるスリーストライク制ではなく、2ストライクでアウトとなるツーストライク制である。
ツーストライク、スリーアウト制のため、攻撃側である回答者は1回の攻撃につき通常6問答えるチャンスが与えられる。
なお、野球式クイズ対決の公式ルールでは、10点差が付くとその時点で表裏関係なく即試合終了となる力量差を考慮したコールドゲームが採用されている。
10点差が付くと裏の攻撃を待たずに試合終了となるため、力量が拮抗していたとしても先攻が有利とされている。
※公式ルールによる延長戦はサドンデス方式が採用されており、互いにツーアウト満塁から始まる。
※※延長戦の場合は表に10点差がついてもコールドゲームにはならない。
【ヒットについて】
出題者より出題されたクイズに回答者が正解するとヒットとなり、連続で正解する毎に長打になっていく。
1問目と2問目を2連続で正解した場合はシングルヒット。
連続3問目以降は全てツーベースヒット、連続5問目以降は全てスリーベースヒット、連続7問目からは全てホームランとなる。
なお、連続というのは完全に連続して正解した場合であり、連続正解の合間に一度でも不正解を挟んで正解した場合は再びシングルヒットからのスタートになる。
仮に、1問目と2問目を連続で正解し、一塁と二塁にランナーがいる場面で3問目が不正解で、4問目で正解した場合は連続正解とはならずにシングルヒットとなり、ランナー満塁となる。
上記の場面で3問目も正解した場合は3問目はツーベースヒットとなり、1点を獲得した上で二塁と三塁にランナーがいる状態となる。
なお、ランナーはシングルヒットの場合はそれぞれ1つ進塁、ツーベースならそれぞれ2つ進塁、というように規則正しく進塁する決まりとなっている。
【特殊な回答形式と出題形式について】
野球式クイズ対決には早打ちと呼ばれる特殊な回答形式と、視覚に頼った出題と呼ばれる特殊な出題形式がある。
早打ちとは、出題者が問題を読み終える前に回答することである。
これは、早押しクイズで頻繁に見られる回答形式である。
この回答形式は、正解ならば即ホームランになるという反面、不正解とならば即アウトになるという危険性がある。
尚且つ、ランナーがいる状態で早打ちに失敗した場合はランナーも全てアウトになるため、ランナーがいる場合での早打ちはリスクが非常に高い。
仮に、ランナーが一人いる状態で早打ちに失敗すればランナーを含めて一気にツーアウト、ランナーが二人以上いる状態での失敗ならば即チェンジとなるのである。
特殊な回答形式である早打ちに対し、出題形式にも特殊な物がある。
それが、視覚に頼った出題であり、主に対早打ち用に使われる出題形式である。
問題を読み上げて出題するのが通常の野球式クイズ対決の出題形式だが、視覚に頼った出題形式の場合、問題を読み上げた後に視覚により問題を認識させるものであるため、この出題形式には早打ちが認められていない。
写真を見せて写った物が何であるか問う問題や、書かれた漢字の読み方を問う問題などが視覚に頼った出題形式に該当する。
なお、視覚に頼った出題形式の場合、早打ちは出来ないが、正解すれば全ての場面においてヒットが1つ分だけ長打となる。
正解すればシングルヒットという場面ならば、ツーベースヒットとなり、正解すればスリーベースヒットという場面ならば、ホームランとなる。
さらに、特殊な回答形式の1つとして回答をしないでランナーを進塁させられるものがある。
それはバントである。
バントをした場合、アウト1つ取られる代わりにランナーをそれぞれ1つ進塁させることが出来る。
ただし、野球式クイズ対決の公式ルールではバントは1試合5回までという回数制限があり、スクイズは認められていない。
【制限時間とタイム制度について】
野球式クイズ対決には出題と回答、それぞれに対して制限時間が決められている。
出題者は回答者が出題を聞く準備が出来たと宣言した時点から、20秒以内に出題を開始しなくては時間超過となり自動的に正解扱いになる。
そして、回答者は出題者が出題を終えてから12秒以内に回答を開始しなければ時間超過となり自動的に不正解になる。
これらを含む全ての制限時間は、試合をする際に用いるメインタイマーにより千分の1秒単位で自動的にカウントされると共に、常に互いに見える場所に目安となる正数のカウントが表示されている。それと同時に、3人の副審の手動により操作される3つのサブタイマーがそれぞれ設置されており、機械と人間を組み合わせた4つのタイマーによって正式に管理されている。
時間超過となる基準は、メインタイマーが時間超過となった場合は副審が操作する3つサブタイマーの内の1つ以上、メインタイマーが時間超過とならなかった場合は3人の副審のサブタイマーの全てが超過した場合にのみ時間超過となる。
仮に、メインタイマーが超過してもサブタイマーが1つも超過していない場合や、サブタイマーが2つ超過していても、メインタイマーが超過していない場合は時間超過とならない。つまり、メイン1とサブ1以上、或いはサブ3、という場合にのみ時間超過となるのである。
なお、出題と回答、どちらの場合においても開始時点で制限時間を超過していなければ時間超過にはならない。
仮に、出題者が19秒目から出題を開始して、出題を終えるまでに1分間を要したとしても時間超過にはならない。
回答者の場合も同様に12秒以内から回答を始めた場合、回答に30秒掛かったとしても時間超過にはならない。
ただし、出題者も回答者も開始時点から終了時点までに遅延行為があると審判に判断された場合は時間超過扱いとなる。
出題者または回答者が、この制限時間を延長したいと考えた場合、制限時間以内にタイムと宣言することで1分間の考慮時間が与えられる。
これをタイム制度と言う。
タイム制度は、個人戦ではそれぞれの参加者が1試合5回まで使用可能で、団体戦の場合にはチーム全体で10回まで使用可能である。
なお、タイム制度は、使用回数が残っている限りは一度に何回でも連続して使用することが出来る。
※現在、野球式クイズ対決は機械化による高機能化が進んでいて、ほとんどの公式戦の場合、参加者が準備完了を宣言する代わりにメインタイマーと連動した宣言ボタンを押すことで宣言ランプが点灯し、そのボタンを押した2秒後にメインタイマーが作動する仕組みになっている。また、タイム制度やその他の制度を使用する際にカウントが必要となる場合においても、それらに対応した宣言ボタンが参加者の手元に用意されているため、公式戦の際には宣言をしなくても試合の進行は可能である。ただし、メインタイマーは自動化されているが、サブタイマーはメインタイマーと連動して点灯する宣言ランプを視認した副審の手動により操作をしている。機械と人間による2つの観点による監視が行われているのである。
【出題と回答についての備考】
出題と回答の際には、はっきりと丁寧に正確に出題を行うこと。
出題と回答の際には、試合前に対戦者同士で決めた互いに理解が出来る共通の言語を用いること。
なお、問題自体がその他の言語で回答することを求めている場合や、その他の言語で話した言葉を翻訳する問題の場合にはこれに当たらない。
出題と回答の際には、出来る限り遅延行為なく行うこと。
遅延行為があると判断された場合、時間超過扱いとなる。
出題と回答の際には、制限時間以内であればクイズと関係ない話を交えることも認められるが、その内容に意図的に不正を煽る行為があった場合、遅延行為と同じく時間超過扱いとなる。
ただし、制限時間超過まで会話が続くように誘導するという行為は誘導された側にも責任があるためこれに当たらない。
不正を煽る行為には、出題前に解答であると勘違いする様な文言を伝えた上で出題して不正解を取る行為などがそれに当たる。
【出題ノートについて】
野球式クイズ対決をする際、参加者(参加チーム)はそれぞれ200問程度の問題を試合開始前に用意し、その問題と解答を必ず出題ノートと呼ばれる物に記入してから出題をする決まりとなっている。
※用意する問題の数はあくまでも参加者の任意であるが、問題の数が足りなくなった場合はタイム制度を使ってその場で出題ノートに問題と解答を記入し、新たな問題を用意することになるため、通常、延長戦まで試合を続けても余る程度の200問を用意するのが一般的とされている。
出題ノートに問題と解答を記入する理由は、出題者も正解を知らない、あるいはそもそも正解がない、などの出題者による不正行為を防ぐためである。
もし回答者が出題者の出した問題に異議を唱えた場合、主審が出題者の持つ出題ノートを確認することで不正の有無を判断することになる。
それにより出題者の問題に不正が確認された場合は重要な出題ペナルティとなり、その場で回答者に1点が与えられる。
なお、異議を唱えることに対して回数制限などは設けられていないが、繰り返し異議を唱える行為は出題者を信用していないということになるため、多用するのはマナー違反である。
【団体戦と代打制度について】
団体戦の公式ルールでは、回答者は本来の野球のように1番から9番まで打順を組み、その順序に従って交代で回答していくが、非公式ルールの場合は回答者が複数人となることもある。
1対5、2対5などの変則的な団体戦も行うことが出来るなど、様々な場面でルールをそれぞれで決められるのも野球式クイズ対決の特徴である。
なお、団体戦の場合、野球の投手に当たる出題者はチームの代表1人が担当することになるが、出題者となる者は必ず回答者として試合に参加していなくてはならない。
ただし、本来の野球にある指名打者(DH)制度が適用されている試合の場合、出題者は必ずしも回答者として試合に参加していなくても良い為、出題専門の人員がいるチームも少なくない。
代打制度とは、出題された後に回答制限時間以内に代打を宣言することで回答者を交換出来る制度である。
代打の場合、出題を聞いてから回答者となれるため、代打として回答者になる者は通常の回答者よりも有利である。
ただし、代打が宣言された場合、代打として指定する者を選択する時間を含めて、30秒以内に回答を開始しなくてならない。
なお、代打をして回答権を他者に譲った者は本来の野球と同様にその試合に再び参加することは出来なくなる。
※団体戦の際、回答者となっている者は他のチームメイトと回答について相談することは出来ない。これを破った場合は最重大ペナルティとなり、当事者は全て退場処分になると共に相手チームに2点が与えられる。
※※団体戦の際、出題者となっている者はタイムまたは所属チームの攻撃時にのみチームメイトと出題について相談することが認められている。これを破った場合も最重大ペナルティとなる。
※※※指名打者(DH)制度が適用される試合の場合、回答を行わない出題専門要員として、さらに2人の参加が許されている。その為、指名打者(DH)制度が適用される団体戦の場合、最大14対14の対決となり、主審副審を合わせて最大32人が試合に関わることになる。
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