「あの、脚本では無言のまま見つめ合う事になっているんですけど」
マーメイド・リーフに住む人魚――リップルの趣味は『浜辺で漂着物を集める』こと。
そのコレクションのなかには『人魚姫』の物語が。
人間の王子様と恋に落ちることを夢見るリップルは、ある日、念願の王子様(?)アキンド(職業:貿易商人)に出会う。
『人魚姫』の物語のようにハッピーエンドを目指すリップルは、あの手この手でアキンドに尽くすのだが――。
『人魚姫』の結末を知らない人魚リップルと、とある目的のために金稼ぎに奔走する貿易商人アキンド。
果たして、二人の物語は『人魚姫』と同じ結末を辿るのか――!?
主人公はアキンドなのに、人魚のリップルちゃんが可愛くて仕方がない!
コロナ禍の影響で暗い気持ちになりがちな今こそ、たくさんの方に読んでもらいたい。
リップルちゃんの可愛いセリフに、思わずクスッと笑ってしまう、楽しい時間を過ごせる物語です!
海の底で暮らす人魚のリップルは、おとぎ話の王子様を待ちわびる日々を送っていました。
そんなある日、彼女の元に親友から一つの知らせが入ります。曰く、最果ての島で難破船が発見されたと――
軽いコメディちっくな一人称視点の文体で綴られるこの作品。とにかく読みやすく、あっという間に1万文字を読み終えてしまいました。
おそらく長編の一エピソードを切り取った短編なのですが、登場人物たちの背景を知らずとも楽しめます。
とても書きなれている作者さんなのでしょう、文章や設定の説明に無駄がなくキャラが生きています。
作中で使われているノリが一昔前とは作者さんのお言葉ですが、暗くなりがちなこの世の中だからこそ新しい世代でも刺さる人は居るはずです。
たくさんの人に読んで頂きたい明るく爽快な作品です。ぜひ!