四冊目「時空監視官出動!」

作品データは以下の通り。

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著者:マイクル・マッコーラム

初出:1979年

あらすじ:

 UFO追跡クラブの変人連中と付き合いがある以外、まったくごく平凡なただの大学生だったダンカン。

 しかしある冬の晩、変り者の女の子とビールを買いに行ったのが彼の運の尽き。彼は突然、何者かにレーザー銃で狙撃された。

 その「バック・ロジャーズ風」武器を振り回した挙げ句の銃撃戦、そして『変な女の子』に射殺されたのはなんとネアンデルタール人。それを見てしまったダンカンに、女の子は「私の味方になる?それとも記憶を消される?好きな方を選んでちょうだい」とお約束どおりの選択を迫る。

 さっぱりワケは分からないが、記憶を消されるよりは味方になる方がマシ。ダンカンはそう決定を下し、時空監視局の一員となるべく、生まれ育った世界を後にする。

 とはいえ彼が駆け巡る時空はすべてヒトの支配するところ。そんな中、時空を超えて展開する人類の亜種間の千年戦争の中へと放り込まれたが、奇跡の生存記録を更新するダンカン。

 己の出身時空を併合しようとする動きを阻止した後、ダンカンは異色の時空に接触。

 そしてその時空は、人類以外の知的文明の存在を示唆するものだった……

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 一時期流行ったパターンは踏んでます。以上。


 と書いてしまうと一行で説明が終わるんですが、まあ実際、これ以上の説明しようが無いかなあという感もありますねえ。


 複数の異世界を支配しようとする悪の帝国と、それに立ち向かう主人公。

 主人公が不本意ながら巻き込まれたのは「ああ君、見ちゃったのね。記憶を消されるのと仲間になるの、どっちがいい?」というお約束通りの脅迫故。


 今の流行と違ってこの作品の場合、主人公の出身地よりも、異世界のほうが文明が進んでいます。「主人公の育った場所では常識だった知識で無双」は基本的にありません。

 後進世界出身の巻き込まれ型主人公が、複雑怪奇に交わる複数の異世界を行き来しながらドタバタ大活躍するお話です。


 いや、私はこの手のお約束は大好きなんですが。


 書かれた当時の流行作品の名前が出てきたりするので、いささか分かりにくい点はあるのが欠点でしょうか。

 そもそもバック・ロジャーズなんていわれても、私ですらよく覚えてないくらいだし。当時の流行ものではあったんですが、こういう流行ネタはすぐに忘れ去られるんですよねえ。


 ところで、この作品中、時空移動ウィンドウというアイディアが出てきます。いつでも好きなときに移動できるのではなく、移動タイミングが限られているということですね。

 なかなか面白いと思いましたが、これは作者の本業から思いついたアイディアだったのではないかとも思うわけです(作者はスペースシャトル開発にも関わったことがあるとか。打ち上げウィンドウの概念をそのまま持ってきたんでしょう)。

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絶版本の宴・リターンズ 中崎実 @M_Nakazaki

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