【脚本】飲み物談義【ト書き】

D.J.Soramin

飲み物談義

 放課後。教室。








真琴「なあお前、昼飯こんだけか?」


達也「ん? おう。部活引退してから、なんか食欲なくてな」


真琴「いや、そうは言っても、それはおかしいだろ。飲み物オンリーとか」


達也「まず、ドクターペッパーだろ? リプトンアップルだろ、そんで、野菜ジュース。何か おかしいか?」


真琴「栄養バランスの話じゃなくてな」


達也「それに、俺も好きな食い物くらいあるからな」


真琴「ほう?」


達也「まず定番。ドクターペッパー」


真琴「いやそれ飲み物だろ! 固形物!」


達也「えー。注文多いな」


真琴「食い物の話だったよなぁ」


達也「じゃあ、うどんとカレー」


真琴「へえ、いいじゃないか。まともな食い物だろ」


達也「あ、でもダメだ。食い物じゃない」


真琴「どういうことだ?」


達也「どっちも飲み物だった」


真琴「んな訳ねえぇぇ!」


達也「いや、まずさ、どっちも咀嚼しない」


真琴「しろよぉ! 食材の風味を楽しめよ!」


達也「まず、カレーは飲み物」


真琴「それはネットの知識だろ……」


達也「うどんも飲み物」


真琴「それはどこ情報だ! 香川県に失礼だろぉ!」


達也「はっ! 日本一小さい県のくせに」


真琴「お前は香川県に何の恨みがあるんだよぉ! 香川県民に謝れぇえええ!」


真琴の叫びに教室内沈黙。


真琴「あのさ、帰り何かおごるから、もっとまともなもの食えよ」


達也「じゃあ――」


真琴「あ、高いものはダメな」


達也「ラーメン」


真琴「あ、いいじゃん」


達也「あ、でもこれも『飲み物』」


真琴「だから違うだろおぉ! 次郎食わすぞ!」


達也「え? お前ジロリアン? 引くわー」


真琴「お前が先に話振ったんじゃねーか! おごるのやめるぞ!」


達也「まーまー。でも、正直気持ちは嬉しいんだけど、また今度な。実は―― 食欲ないの、 体調のせいでもあるんだ」


真琴「それは大変じゃないか。お大事にな」


達也「だから、夕飯も身体に負担のかからないものしか食べられないんだ」


真琴「そうだったのか…… なあ、もし辛いんだったら、俺が代わりに作ろうか? お粥くら いなら俺できるぞ」


達也「いや、平気。夕飯は外食する予定だから」


真琴「だったら俺がおごる―― ああ、そっか。意外とヘルシー系とか小膳料理みたいな店って高いんだっけ」


達也「意外と量の多い料理のほうが安かったりするから、不思議だよな」


教室にチャイムが鳴り響く。


真琴「ところでさ、外食って、何食うんだ? やっぱ魚とか? それとも、ささみみたいなさっぱりした鶏肉系とか?」


達也「いや違う。 ……ラーメン次郎だ!」


真琴「てめーふざけんなよおぉぉおぉ!」








飲み物談義 完


個人利用、商用利用可能です。




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