丁寧でいて壮大に練られた物語

以下、個人的かつ謎に偉そうな感じで恐縮ですが感想なんかを書かせていただきたいと思います。
気に障るようでありましたら、バンバーンとしていただけますと幸いです。


作品を読んだ率直な感想としては【面白い】です。
世界観に馴染んでからはすっかり熱中していたと思います。

キャラクターがストーリーを通じて大きな変化を遂げるというよりは、ある程度価値観・性格が定まったキャラクターにより世界が変容していくタイプのお話でした(と、少なくとも自分は受け取っています)。

監視・抑止用のインプラントを人体に埋め込むというギミックは洋画などで時折見られるもので、個人的に好きなので楽しかったです(キングスマンをなんとなく思い出しました)


傲慢な正義を執行しようとする巨悪を各々が各々のやり方で阻止するというわかりやすい構図で、都度視点が入れ替わるので退屈しませんでした。


お話を彩るキャラクターも派手さはないですが読めば読むほど味が理解でき堪能できる渋みがあり、魅力を感じることができました。

ただ、一番キャラが立っていたのがサブキャラであるレイカだったように自分は感じました。
個人的感想なので多分に好みが反映されているのは申し訳なく思うのですが。いじられキャラでポンコツ? と思いきやバッタバッタとドローンを薙ぎ倒してみたり。彼女の描写に割かれたリソースは決して多くはないと思うのですが、それでも自分は作中で一番躍動感を感じたキャラクターが彼女でした。掛け合いもイキイキしていて読んでいてとても楽しかったです。


重ね重ねではありますが大した実績もないくせに偉そうに物を言って申し訳ありません。


レイヤードを読み終えた感想は
【面白いライトノベルを読んだ!】
より、
【面白い小説を読んだ!】
という感じでした(ニュアンス伝わりづらくてごめんなさい…)。


一般の警察小説とかそんな感じの雰囲気、と言えばいいでしょうか。

シナリオは精巧に練られており、世界観も独特で、キャラクター配置も無駄なく、自分なんかでは到底書けない上質で纏まった作品でした。


だからこそ【もったいない】と思いました。
読んだ直後の深夜テンションでずけずけつまらない言葉を並べてしまって申し訳ありません。


こちらの作品のポテンシャルは受賞にいたるくらいの質はあると感じております。嘘でもなんでもなくそう思います。それくらい高水準です。


その上で個人的に求めたいものは、
主人公であるサヤが誰の目から見ても圧倒的な存在感や執着心、個性・魅力を発揮してほしかった、
ことです。


こんな風に書くと【お前サヤ嫌いなの?】と思われるかもしれないですが全くそんなことはありません。いきなりレイヤードさせられたり兄貴に翻弄されたり酷い目に遭いながらよくがんばったと、すっかり愛着が湧いています。


簡単に言いますと【もっともっとサヤに目立って欲しかった】というのが個人的な思いとなります。



これ以上書くと纏まりない文章が更に散らかりそうなので自重致します。


乱文・長文となりましたが最後に改めて、
【レイヤード、とても面白かったです!】