MUSEI

@nosuke350

真夏のMUSEI

あれはそう、高校2年生の夏休み。僕は忘れられない朝を迎えた。

僕の実家は名古屋にあるごく普通の一般家庭だ。地元のインフラ系の会社、行ってしまえばなんたら電力に勤めるザ・サラリーマンな真面目な父と、真面目だけどどこか抜けてる母、後は姉と弟そして僕の5人家族。父が頑張ってローンを組んで買った二階建ての一軒家に住んで12,3年経った頃。何もしてないのに自分のことを最強だと信じていた、そんな時だった。エアコンが壊れた。

ただでさえ名古屋の夏は暑いのだけれど、僕の部屋はあろうことか二階の南側に位置する日当たりマックスピーポーな部屋で、夏場はサウナのようになる。テンションが高い時は締め切って筋トレなんかしちゃったりしていたけど、夜寝るときは流石に快適に寝たい。そう思ってリビングで寝ることにした。僕の実家のリビングには掘りごたつが置いてある畳コーナーがあり、そこに布団を敷けばそれなりに快適に寝ることができるのだ。パパに感謝。


谷間。それは男子高校生誰もが一度は挟まりたい挟まれたいと願わずにはいられないものである。僕はその頃篠崎愛が好きで好きでたまらなかった。篠崎愛とはその当時流行っていたグラビアアイドルで、ヤングマガジンやヤングチャンピオンなどの、ヤングとつく何かしらの雑誌の表紙を毎日飾っていた。ネットでは豚キムチなどとひどい言われ方もしていた愛ちゃんだが、僕はその当時あのふんわりとした包み込むようなおっ、、身体、美しい顔立ちの虜になっていた。というか正直今でも全然お世話になっている。唯一買った芸能人のDVDは篠崎愛ちゃんのものだ。買うのが恥ずかしくてネットで買おうと思ったがファミマで先行販売をしていたため、勇気を出して買いに行くことにした。その日は台風で、台風なら他の客も少ないからチャンス!と思った覚えがある。今考えると台風の中びしょびしょでグラドルのDVDを買いに来る客ってかなり目立つが。


気がつくと僕は学校にいた。教室は夕日で橙色に染まっている。おそらく6時過ぎと思われるが、名古屋の夏の夜はじっとりと暑さを残している。周りを見渡すと教室には誰もいなかった。ぼくと愛ちゃんを除いて。愛ちゃんは教室だというのにOLのような格好をしていて、はだけたシャツからは艶のあるクッションのような胸が見えていた。よく見ると谷間にはじわっと汗の粒が浮かび、ふわふわした毛の生えた犬の筆箱が挟まっていた。

「えっ」

ぼくは思わずそう言った。すると愛ちゃんはチラッとこちらに目をやると、その犬の筆箱を谷間に挟んだまま上下し出した。

「・・・ぇっ」

勃ち上がり、心の中でぼくはそう呟いた。愛ちゃんはそんなぼくにはお構いなく犬の筆箱をホシュホシュと上下させ続けた。

10秒とかからずぼくは限界を迎え、finishした。犬の筆箱がまるで性器かのような感触、感じたことのない収まり感。今まで感じたことのない快感だった。

「ふふぇぇ」

ぼくのちんこがそう呟いた。


「喝っ」

張本さんの厳しい一声が聞こえた。

ぼくは、ん?と目をやるとテレビではサンデーモーニングが流れていて、食卓では家族4人がモーニングをしていた。

そうか、今日はリビングで寝たんだったなと思い、そうか、あれは夢だったのかと気づいた。起き上がると夜には使った覚えのないタオル地の布団が腰より下にかけられていた。我が家の母は思いやりに満ち溢れているのだ。

ぼくは朝起きるとまずなにをするよりも先にちんこを掻くのだが、その日は違和感を覚えた。毛がパリッとして痛いのだ。ちんこから出血!?と思いちんこに手をやるとヌルッとした食感がある。これは困ったと思い、トイレに行こうとした時だった。嗅ぎ慣れたあの匂いが鼻腔をくすぶった。

その瞬間ぼくは全てを理解した。そうか、今日か。よりによって家族の誰よりも遅く起きるぼくがリビングで寝たその日に僕は夢精をした。人生初の夢精を終えたぼくは冷静に考えた。家族の前で夢精をしたのか、、?いや、大丈夫だ。ちんこのねっとり感とちんげに絡まった我が息子のカピカピ具合から夢精したのは2,3時間前だろう。その時間には家族はみんな寝ているはずだ。この布団はエアコンが効きすぎて冷えたぼくが風邪を引くのを心配して母がかけてくれたものだろう。楽観的なぼくはそう考え、家族にはバレていないと結論付け、何事もなかったかのように起き上がった。

「おはよ」

「おはよう」

よし。何事もないいつもの会話だ。あとはトイレでパンツをどう処理するか、、よし、とりあえずトイレに行こう。歩き出したその時、がっつり湿ってダークグレーになっている灰色のスウェットが視界に入ったがなにも見ていないことにした。

さて、今日はいい一日になりそうだ。

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