早瀬湊
しばらく湊くんと歩いていると、湊くんが立ち止まった。どうしたんだろう。
「ちょっと公園寄らない?」
「いいよ」
2人で公園へ行った。あ、そうだ湊くんカラオケの時に私に何か言いたそうだった。
2人でベンチに座った。
「あのさ、湊くん。私に何か言いたいことあるんだっけ?そのー。カラオケの時に言ってたじゃん」
「あぁ、その事か」
内心ではドキドキしていた。もしかしたら未来が見えてるってバレてるんじゃないかな?って。バレてるって言い方も変だけど、バレたくない気持ちもある。
「美織。未来が見えてる?」
「え?なんのことかな?さっぱりわかんないなぁ」
「本当のこと言って」
「…。」
これってどう答えたらいいの。見えてるって言ったら俺の未来はどう?とか言われるのかな。それか、変なのーって笑ってくれるのかな。でも湊くん真剣だし。正直に言ってみようかな…。
「美織?」
「うん。明日の出来事とかが見えるよ。でもなんでわかったの?私、変だよね?人と違うの。」
しばらく沈黙が続いた。
10分くらいしてやっと湊から喋りかけてくれた。
「俺も昔、未来が見えてたんだ。いや、今も見えるんだ。」
「え?」
「美織を見た瞬間、あ。この子も見えてるんだって直感ってわけじゃないけど思った。毎日、あぁその話知ってるって顔してたし。俺が転校してきた時も知ってるって顔してた。」
「私、顔に出てるのかな笑」
「もろでてるし、バレてるからな」
「あははは」
「未来が見える事は他の奴らからしたら好奇の目で見られたりするし、羨ましがられたりする。でも、俺自身は毎日がつまらなかった。美織もそうだろ?」
自分と同じ人がいると言う事に私は嬉しかった。
「私も湊くんと同じ。悩んでる。見える事は小春も陽介くんも、親も…いや。湊くん以外知らない。誰にも言えなかった。」
「俺もそう。ここに転校してきたのは家の都合って言っただろ?前の家にいた時に両親が離婚する未来が見えたんだ。弟がいたんだけど、弟は父親の所へ行った。俺は母親の方にいる。離婚する未来が見えていたのに俺は何も出来なかった。弟と離れ離れで少し寂しいよ。」
「そんな事があったんだ…。だから転校したきたんだね。でも、何で私たちには未来が見えるんだと思う?」
湊くんは考えているのか沈黙が続いた。
「もしかしたら、何か原因があるのか。でも、陽介と小春と美織と過ごし始めてから未来がちょっと変わったりしてるんだ。」
「わたしもそう!」
「俺は、未来が見えなくなるようになりたいんだ。こんな毎日つまらない。だから美織と解決したくて話したかったんだ。」
「私も湊くんと一緒に解決したい!でもどうすればいいんだろう」
「んーーーーー。とりあえず陽介たちに言ってみる?」
「え?!!!無理無理無理無理。なんで?」
「あいつらと過ごしてると答えが見つかる気がするんだ。」
「んー…。どうかなでも、小春と会ってから私も色々変わり始めたから言ってみる?引かれない?」
「引かれないさ、友達なんだから」
「うん。信じる」
それから公園を出て、湊くんは家まで送ってくれた。よかった、私と同じ人がいるんだ。そう思えただけでも心がホッとした。
今日の私、明日の私 ちゃちゃ @chacha1515
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