宙吊りの不穏を積み重ねる日常は、仄かな親愛とともに。

日常にぬるりと忍び込む不穏、触れてはならぬ、決定的な何かが起こることへの不安と焦燥。そして高まる不安は、叔父というトリックスターの存在でそのまま宙吊りにされる。
字義通りのサスペンスに満たされたそれは、内田百閒を彷彿させる。

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東北奇譚