第3話 彼女視点

私には彼氏がいる。

とってもかっこよくて、優しくて・・・・いいところを上げたらきりがない、

そんな素敵な彼と私は結ばれている。

そんな彼だから・・・彼だからこそ無性に不安になる。


もしほかの女が彼にすり寄っていったら?

もし彼の身になにかあったら?


彼と離れている間はそんな不安に押しつぶされそうになる。

だから・・・・だからわたしは・・・・・





彼の家にやってきたのである!



以前遊びに来た時に彼の部屋の合いかぎは作成済みだ。

その合いかぎを使って彼の下着等の私物を集めるのが日課になってしまっていた。


一目散に彼の下着を物色する。


「へへへ・・・」


彼のパンツが私の手の中に納まっている。

興奮のあまり、よだれが垂れて慌てて口元を拭う。


「そ、それではテイスティングのほうを・・・・」


「え?○○ちゃん?」


声のほうがした方向を振り返る。

玄関口で私を見つめている彼がいた。


「ち、ちがうの!?誤解なの!私不安で!」


頭が真っ白になり、ちぐはぐな言葉を彼に投げかける。

もはや、自分でも何を話しているのかわからなかった。

いったいどれくらい話していただろうか?ようやく私はパニックから持ち直し始めていた。


「よくわかったよ・・・○○ちゃんの熱い思い伝わったよ」


「へ?いやあの」


現状を理解できないが、なぜだろう。嫌な予感がする。


「ふんっ」


彼が短く息を吐いたとほぼ同時に、自分が着ていたシャツを破き捨てた。

そのままズボンなど身に着ける服を破き捨て始める。


「○○君!?何をしているの!?○○君!」


「何を言っているんだ。僕は目が覚めたんだよ。」

「人間は服なんていらない・・・君の言うとおりだよ。」


「何言ったの!?私何言ったの?」


突然の出来事で持ち直した精神がからの裸によりまたぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。

しばらくあっけにとられていたが彼の”下”のほうを見て意識が飛び跳ねる。


「○○君!下!下見えてる!」


顔を真っ赤にしながら彼にそう告げる。

しかしその言葉が聞こえてないかのように彼が一歩一歩、私に詰め寄りながら語り掛けてくる。


「さぁ、パンツ交換の時間だ。」


「何を言っているの!?○○君!」


「盃や釜の飯を分け合うよりも崇高な行い、それがパンツ交換」

「君に教えてもらったことだよ」


「お願いだから数分前の私が何を口走ったか、だれでもいいから教えて・・・」


その日、とある賃貸の一部屋で女性の悲鳴が聞こえてきたが気に留めるものはいなかった。

ヤンデレ気質がある彼女とその彼氏の日常は今日も明日も続いていく。



おしまい。

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彼女に愛されすぎて幸せです(ヤンデレ?) えちだん @etidan

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