エピローグ
だからといってなにか生活に変化があるわけでもなく、小凪に弁当を作ってもらったり、たまに小凪を迎えに行ったりと平凡な日常を過ごした。
まぁ、大変なことがなかったわけでもない。小凪の友だちには本当のことを話し謝罪をしたときなんかは、相談しなかったことを叱られた。なぜか俺が。
あと他に大変だったことといえば、
からかうようなウザ絡みこそないが、ニマニマと静かに笑っているかと思えば
そんなことがありながらも、俺は残りの高校生活を全うした。成績は維持、問題は起こさず、進学も難なく確定させた。
そうして今は大学生。親父の方針で、大学の近くのアパートで一人暮らしをしている。
まぁ実家から然程距離があるわけでもないので、会おうと思えばいつでも帰れる距離だ。
慣れない一人暮らしや大学生活に疲労は溜まるが、不思議と嫌ではない。ある種の充実感すら感じている。
しかし一つだけ困ったことがあるのだ。それは──
ピロリン♪ と着信音が鳴る。
確認してみれば、小凪から「お父さんと喧嘩したから泊まる」と簡潔なメッセージが届いていた。
そこは普通「泊まっていい?」と聞くところだろ。そう胸中で突っ込みながら、スマホをテーブルに戻す。
「まったく、毎度毎度俺の部屋を避難所にしやがって。受験生だろっての」
そんな愚痴をこぼしながら、よっこらしょっと立ち上がれば、タイミングを見計らったようにインターホンが鳴った。
まったく、世話の焼ける妹だ。説教の一つでもしてやろか。
そう苦情を浮かべながら、俺は来客を迎えるべく玄関へと向かった。
この恋の終わらせ方 ~疎遠だった実妹と探す俺たちの答え~ 吉乃直 @Yoshino-70
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