ある種の純情と罪悪感。青春の1ページ

直球勝負といった文体で、実に読みやすかったです。
語られている描写も、微笑ましく微細で分かりやすい。
しかし、この作品がただのラブコメに終わらないのは、きちんと『青春の苦み』を描いているからこそだと思います。
周囲の人の事情、それを気にかけるが故にさらに事情が立て込んで……という、輪をかけていくような展開は実に見事です。
各登場人物の存在感のバランスや、時折入るユーモアあふれる言い回しからも、やはり『青春』というものを感じずにはいられません。

明るくはない、リアルに迫った高校生活。是非ご一読を。

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