第7話

 なんとか就職先も決まり、人との距離を保ちながら生きてきた。


 どうせいずれ死ぬんだ。


 いつ死ぬのかも、どう死ぬのかもわからない。


 ただただ無感情で、「生きている」というより「ただ生息している」と、いう表現が似合っていただろう。


 私はこれからも、猿轡を外せない。


 猿轡を外したくないのかもしれない。


 それでも、収入が安定しただけでかなりメンタルは落ち着いた。


 でも、未来はどうなるかわからない。


 また仕事を失うかもしれない。


 だから後悔しないように生きたい、と思った。


 食べたい物を食べて、行きたい所に行って、会いたい人には会いに行っておく。


 自ら終わらせる事も、続ける事も選択出来ても、結局何かに人は翻弄されるのだ。


 ならば、せめて自分が幸せを感じられる一秒を大切にしたい。


ーーーーーー


 あなたは今、笑えていますか?


 もし、今あなたが絶望の淵にいるのなら。


 もし、今あなたが命を絶とうとしているのなら。


 もし、今あなたが辛いはずなのに逃げ出せないなら。


 もし、今あなたが笑っていないのなら。


 ……今すぐなんとしてでもそこから逃げ出して下さい。


 逃げ出せても落ちる所まで落ちます。


 それでも……


 なんとなくでも生きてさえいれば、


 今の現実が夢だったかのような日がきますから。



ーーーFinーーー-


 

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猿轡をされた者たちは…… あやえる @ayael

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