第11話 恋の予感【最終話】

僕「どんな人がタイプなの?たとえば、おれとかはあり?」


  


 まな「んーなしだね。ごめんなさい笑。」


 僕「おい、待てよ、おれが勝手に振られたみたいになってるじゃんか笑」


 まな「みたいというか実際はっきり振られてるけどね笑」


 僕「なんだよ笑可愛くねえな笑」


  


 こうして僕の数時間前に生まれた恋は儚く散った。


  


 まな「私の理想はね、まずイケメンで身長175センチ以上で、年収800万以上でマザコンじゃなくて浮気しなくて、、、etc」


 僕「いるかそんな男!笑 理想が高すぎんだよまったく。美人になったからって調子に乗らないこと!」


 まな「でも好きになれないんだもん。」


 僕「まあわかるけど、整形してきれいになって見えた世界が想像とは違ったように、理想の人と付き合っても、それが本当に自分の描いた完璧な世界なんてこと少ないと思うよ。理想が高いって結局自分に足りない何かを埋めたいだけで、まずは本当の自分を好受け入れて好きになっていけば、また見えてくる世界が変わってきて、許容範囲が広くなるんじゃないかな?」


 まな「うん、そうなんだけどね。がんばってみる、でもイケメンは好き!」


 僕「やかましい笑」


  


 そこからまた色々話して、彼女のことをまたいいなと思った。(振られ済みだけど)


 女心の複雑さと可愛さや美しさだけで幸せになれるほど、女の世界は甘くないってことを学んだ。


  




 ぐっすり寝ておきたら、もうチェックアウトの時間だった。


 彼女は眠そうに目をこすりながら、支度をしてこちらに合図を送る。


 僕も数時間前には彼女と関わりがなかったことを信じられないくらい、お互いのことを話して理解できたように思う。


 心なしか彼女の顔も数時間前より凛としていて、何か心のモヤモヤが晴れたような、そんな内面から出る美しさを、僕は感じた。


  


 ホテルを出て駅に向かい、途中のコンビニでサンドウィッチを買って、半分ずつ彼女と食べながら歩いた。


  


 彼女はJR、僕は東京メトロ。


 別れ際、最後のジャブを打ってみた。


  


 僕「今日はありがと。たくさん話して楽しかったし、まなちゃんにめっちゃ興味持てたよ!よかったらまた会わない?」


  


 彼女はニコッと笑ってこう答えた。




「もういいかな!また会っても経験人数増えないし!」


  


  先ほどのサンドウィッチが変に口の中にまとわりつく。


 僕はコンビニへコーヒーを買いに、またラブホテルの方向へ歩いていった。


  


  


  

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