5分間の魔法
@yume091106051225
第1話 バスの中の魔法
突然だが私は魔法が使える
ほんの一瞬だけ 本当に一瞬だけだが
5分間だけ 時間をとめれるのだ
■■■
私には好きな人がいる
名前も高校も学年も知らない子だ
私は、いつも見てるだけ…
けど 時々目が合う時があって
少し照れてしまう
私は、あの人に好きと伝えたい…
けれど伝えてしまったら終わってしまう様な感じがして言えれないでいる
だから、私は時を止めてしまう
その時には 目を合わせて「おはよう」と言えるのに…
たった5分間だけだけど 私にとっては凄く幸せな時間だ
私にとっての魔法だ
■■■
教室に入る
相変わらず賑わっている教室で私は、机に座る
「おはよう〜!」
大きな声で私に話しかけて来たのは 来井 叶(くるいかのう)…
私の友達だ
「おはよう、そんな大きな声を出してどうしたの?」
「大きな声は 失礼じゃない」
ブーと膨れっ面をする
「ごめん、ごめん」
思わず私は笑ってしまう
「またさ、あの人見てたでしょ?」
ズバリ!見たいな感じで手をこちらに出してくる
「うん…見てた…」
恥ずかしがりながら言うと
「くぅー、羨ましいね このこの」
「やだな、見てるだけじゃん」
「付き合っちゃいなよ」
「私は、見てるだけで満足です!」
「あー、そんな事言ってると取られちゃうぞ!」
叶ちゃんは、相変わらずといった対応にブーと頬を膨らます
「私は、本当に見てるだけでいいんだよ、そんな顔をしないでよ(笑)」
「ほら、チャイム鳴ったから咳戻りなさい!」
「はーい」
叶ちゃんは、不満げそうに席に戻っていく
叶ちゃんにもこの魔法の事は言っていない…
ごめんね…
そう心の中で言うと少し悲しくなった…
■■■
放課後になり、叶ちゃんが寄ってくる
「一緒に帰ろ!」
「うん、行こっか!」
私は返事をしてバス停の方へと向かう
「あの子乗ってるといいね」
笑いながら私に言ってくる
「乗ってたら嬉しいな」
少し顔を赤らめる
「あー、可愛いね このこの!」
「もう、からかわないで!もう乗るよ!」
「あー、待ってよー!」
私は、バスに乗る寸前 あの子が見えた気がした
「あれ、あの人は…」
「? どうかしたの?」
私の顔を叶ちゃんが覗き込む
「ちょっとごめん、こっちに用事ある!」
そう言って 後ろから叶ちゃんが何か言ってるような気がしたが
私は、走った
路地裏へと辿り着く
「あの…」
「えっ?」その子は私に気がついて振り向いた
その子は中学生ぐらいの男の子で猫を抱き抱えている
こうやって面と話して真面かで見るのは初めてだった
「えっと、ちょっと見かけちゃって何やってるのかなって…」
「あー、すみません」
頭を下げる
「子猫が居てほっとけなかったんですけど、家で買えないって言われて、それでここで世話をしようかなって思ったんですけど…」
と、話してくれた
私は、その話を聞いて思わず
「私が飼おうか…?」
「えっ?」
その子は目を真ん丸にした
「いいんですか?」
「うん」
私は、この時どんな顔をしていたのかは、分からない
けれど、この時をキッカケにして話を出来たと思っている
そして、いつ間にか 5分間の魔法も消えている事に気がついた
例え 5分間で時間を止めれても それから行動をしない限りは何もならないのかなと、この時思った
たった 神様からへのイタズラ心でかけられたかもしれないが
ここからの先の出来事は、君たちの想像で補ってね(笑)
5分間の魔法 @yume091106051225
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