自己意識

白川津 中々

 noteやブログなどに登録するも活用できないのは俺がコラムめいた記事を書けないからである。


 話を創作する事、他人を小馬鹿にする事、妄想を書き連ねる事は好きだし、ずっと続けているのだが、ある社会的事象に対する私見や流行の話題について伝達する表現は苦手で抵抗がある。

 そりゃ自分の中で色々考えなくもないが、空想と違って上手く言語化できない。今書いているような自身についての記述ならまだ読めるものが書けるがそれ以外はからっきしで、Aについて述べているのにいつの間にかM辺りにすっ飛ぶなんて事はザラだし、下手すれば£とか√にすり替わっている間抜けもまましでかす。

 この摩訶不思議な構成不備が発生する原因は恐らく無知と興味のなさに起因しているように思う。俺は本質的に考える事が嫌いで勉強をしてこなかったから研究とか探求とか調査とかができず、物事の表面をさらって感情論を述べるしかできないのだ。理路整然とした構文の作成などできるはずがない。


 最近のnoteやcakesを見ると、皆様々な観点からお気持ちを表明したり物事の推察をしたりしている。それらの断片を摘むと、達者な文書を書きくさるなと嫉妬と焦燥に駆られる。


 このネガティブは、俺が書いている小説に対して抱いている懐疑的な感情が触発されているから生じているのもある。プロットもろくすっぽ立てず場当たり的な思いつきと感性だけで書いているから、後で読み返す時に展開の繋がらない部分や妙な表現が目につき大変な絶望を感じるのである。なんとなく、自分のレベルの低さというか、底の浅さを感じる。


 社会に対するスタンスが築けていないのは書き手として致命的ではないのかと、この頃思う。自分だけの、俺だけの、私だけの世界しか書かれていない文書に、果たして読む側が得るものはあるのだろうか。そんな自己満足に喜ぶ人間がいるというのか。赤の他人が俺の心象を覗き、素晴らしいと思うのだろうか。


 恐らく、ないだろう。であれば、俺の小説は無価値である。


 それでもなお、この先俺は小説を書き続けているのだろうか。そう自分に問うと、暗く、沈む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自己意識 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る