ザ・バンドマン
丸 子
全1話
ぼくの大好きなおじいちゃん。
若い頃からバンドに入っていてサックスを吹いている。
でも少しずつ忘れることが多くなってきて、得意なサックスを吹くことも忘れてしまうことがある。
おじいちゃんのバンド仲間もみんなおじいちゃん。
ぼくのおじいちゃんを温かく見守ってくれている。
時々おじいちゃんが自分のパートを忘れて座っていても他のメンバーがカバーしてくれるんだ。
でも、ついに1ステージ終わるまでおじいちゃんは座ったままだった。
一度もサックスに触らなかった。
メンバーのおじいちゃん達が寂しそうに笑い合う。
それが合図だった。
おじいちゃんに手を挙げて一人ずつステージから去っていく。
ステージに残されたおじいちゃんはいつまでもいつまでも座ったままだった。
おじいちゃんにあてられたスポットライトが消えた。
おじいちゃんの最後のステージ。
バンドにとっても最後のステージ。
ぼくのおじいちゃん。
最後のステージもかっこよかったよ。
ザ・バンドマン 丸 子 @mal-co
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます