08話 ワープトラップのその先で
唐突だが、トラップにひっかかった。
諸々を終わらせ第2階層、第3階層と順調に攻略していったのだが、第8階層まで来た所でやってしまった。
トラップ自体は第2階層からあったのだが、まさか倒すと転移させられるモンスターなんていうものがいるとは思ってもみなかった。
というか、俺が何も考えず低空飛行で頭突きしまくっていたのがいけないよね。
(いや~、やっちまったぜ。ここって何階層?)
《第30階層です。戻る手段もありません。お父様、かなりマズいです》
ソフィアから焦りを感じる。
かくいう俺も焦っていないと言えば嘘になる。
現在俺がいる部屋には何もない。
ただ目の前に、巨大な両扉があるだけだ。
恐らくボスがいるのだろう。
何故か? 絶望的とすら言える魔力を、扉の向こうに感じるからである。
(そうだろうな)
さて、どうするか。
……打開策を考えるためにも、久しぶりに確認しておくか。
ちなみに初めて進化をした日から、既に30日が経過している。
(ソフィア、ステータスを)
《承知しました。お父様》
====================
名前:なし ♂ レベル:38/50 GP:1358
種族:プリンスドラゴンキッズ ランク:B
加護:女神の寵愛
称号:世界を越えし魂,可能性の申し子,天運,賢き者,マスターストライク,上位者の風格,解体マスター
最大HP:12335
最大MP:1300
STR:252
AGI:326
VIT:86
INT:100
MND:100000
DEX:27(+9)
LUK:500
技能:種族スキル『竜鱗Lv2,飛行Lv1,竜王子の魅惑Lv1』
リミットスキル『創造の種(4)』
限壊能力
……叡智之女神[バランスブレイカー:ソフィア]
ユニークスキル『色欲者』
エクストラスキル『超直感,魔力感知,猪突猛進,弱点看破・真』
戦闘スキル『アサシンストライクLv2,身体強化Lv4』
補正スキル『魔力操作Lv6,穴掘りLv5,解体Lv10,翼操作Lv4,無我Lv3』
魔法:治癒Lv3
耐性:痛覚麻痺
====================
表示されたステータスを見て、一瞬普通に勝てるのではという考えが過る。
しかし頭を振ってそれを否定し思考を巡らす。
ちなみに表示形式が変わっているのは、大分スキルが多くなってきてもういいかなと思ったからである。
じっくりと目を通す。
パラメータ等の数値とスキルで以前と変わった点は、
1.GP:126→GP:1358
2.最大HP:935→12335,最大MP:160→1300,STR:24→252
AGI:22→326,VIT:10→86
3.吹き飛ばしエリート→マスターストライク
4.エリート解体士→解体マスター
5.エクストラスキル『弱点看破・真』の獲得
6.頭突きLv8→アサシンストライクLv2
7.戦闘スキル『身体強化Lv4』の獲得
8.魔力操作Lv3→魔力操作Lv6
9.穴掘りLv2→穴掘りLv5
10.解体Lv6→解体Lv10
11.補正スキル『翼操作Lv4』の獲得
12.補正スキル『無我Lv3』の獲得
13.魔法『治癒Lv3』の獲得
14.耐性スキル『痛覚麻痺』の獲得
以上の14点。
そして効果は、
マスターストライク:突進系スキル威力100%・移動速度70%
解体マスター:短剣装備時DEX100%・常時DEX50%
弱点看破・真:対象のどこを攻撃すれば壊しやすいか、殺しやすいかの知識
アサシンストライク:死角より突進し、格上をも低確率で即死させる
身体強化:魔力を身体全体に巡らせ身体能力を向上させる
翼操作:翼を自在に操作する
無我:思念の一切を断ち自然に溶け込む
治癒魔法:外傷を癒す
痛覚麻痺:痛みを感じにくくなる
こんな感じである。
ちなみにアサシンストライクは、頭突きがスキルレベルの最大である10になったことと無我を獲得したことによって獲得した複合スキルである。
第6階層辺りから、大体3回に一回ほどの確率で俺の少女漫画(突進奇襲)を避けられるようになったので、ならばと無我に至ってみたというのが獲得経緯だ。
レベルの数値通り、完成度はまだまだ低く気付かれてしまう時もあるが、無かった時と比べれば天と地ほどの差があると言っても過言ではない。
身体強化は、以前魔水晶に突進した時のように第7階層に壊せないものがあったため試しにやってみた所獲得出来た。
視力なども含めたあらゆる身体能力が何倍にもなるが、当然半端なく消費するし調整に失敗すると筋繊維が弾け飛んで身体の一部が爆散したりもする。
まぁ要するに、某龍玉の界○拳のようなもんである。
実際それをイメージして編み出した訳だしな。
ちなみに治癒魔法と耐性スキル『痛覚麻痺』は、この時獲得した。
それと爆散してしまったのは四肢と両翼である。
文字通り身動き一つ出来ない状況になってしまった為、即座に治癒魔法をGPを消費して獲得しソフィアに頼み再生したのだ。
あの時は本当に焦ったし、割とマジで痛すぎて泣いた。
まぁ、それはともかく……弱点看破・真についてだが、真があるのならば偽もあるのか? と思うだろう。
誰だって思う。俺だって思う。
そして、当然ながら存在する。
ソフィア曰く偽の方は、天性の才能であったりGPによる獲得で手に入るそうだ。
つまり直感的に弱点を悟るのが偽、これまで狩ってきた経験によって弱点を見極めるのが真ということである。
ただし真の方は、経験によるものであるため全く経験したことのないタイプに対しては効果を発揮しないらしい。
(それにしても、結構強くなったな。とはいえ30階層だ。これでも不安じゃないと言えば嘘になるな。何か良い案はないか? ソフィア)
こういう時こそ、情報チートであり頼れる相棒かつ愛娘ソフィアの出番である。
期待に胸を膨らませてしまうよネ!
《進化して以来、治癒魔法の獲得以外には一切使わずコツコツと貯蓄してきたGPを使用しても良いのなら、若干生き残れる可能性を上げられますが……》
かなり悩んでいたな。
まぁ、ソフィアからの再三にわたるGP使いませんか? の問いに俺はずっといいえと言ってきたしな。
皮肉的な意図もあったのだろう。
(構わん。この窮地を乗り越えられなきゃ死ぬんだ。将来のために、なんて考えてケチってても仕方ない)
《それもそうですね。承知しました。では、GPを1000使って絶対不認を獲得しましょう》
(ふむ。それはどんなスキルなんだ?)
《エクストラスキルで、対象から絶対に認識されないというものです。とは言っても相手がユニークスキル持ちであったり相対スキルである絶対知覚を所持していと、無効化されてしまいますが》
なるほど。
それで、若干だったのか。
(ふむ……創造の種を使う時が来たか?)
《宜しいのですか? それならば、確実に倒すことが出来ますが》
(う~ん)
いや、よく考えろ。
俺はまだ敵がどんな姿をしているのかすら知らん。
そもそも、本当に勝てない相手なのか? 警戒のし過ぎで過剰な対策をしては勿体ないことになってしまう。
(なぁ、扉の向こうにいる奴は部屋の中でしか活動出来ないフロアボスみたいな感じなんだろ?)
《ボスかどうかは定かではありませんが、こちらまで侵入することは出来ないのは確かです》
(……よし。とりあえず、一回開けてみよう。そんでヤバそうだったらまた考えるってことで!)
《危険ではありませんか? お父様》
(いや、大丈夫さ。直感が何も告げてない。つまり絶対大丈夫でも絶対死ぬでもないってことだから)
《……承知しました》
そうして俺は、恐る恐ると眼前に聳え立つ巨大な両扉に突進するのだった。
ドラゴン転生 ~やがて最強へと至る者~ 滝千加士 @fedele931
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ドラゴン転生 ~やがて最強へと至る者~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます