剣士ウィリアムの幻想冒険記

作者 滝千加士

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Good!

 読後の気持ちをストレートに表すならば、題名の言葉になります。

 英雄、ヒーロー、英傑といわれ、どのようなイメージを抱くでしょうか?

 強いのは当然であり、人格者であり、その性格は豪放磊落、または無口なストイックか、もしくは皮肉屋だけど人情家か、そんなところですが、そのどれもが当たらない主人公が、この物語の主人公・ウィリアムです。

 友情や人情に篤いのは当然ですが、豪快に笑い、飲み、圧倒的な存在感を放つわけではなく、皮肉を口にする事もなく、また冷笑癖とは無縁の彼を指すならば、等身大の青年しかないと感じました。

 世界観に沿った造形は兎も角として、その性格はクラスや職場にいてもおかしくない親しみを覚えます。

 調子に乗ることもある、甘さもある、しかし重要なところで逃げ出す事、尻込みする事は絶対にない、そんな主人公の物語、今のような世の中だからこそ、読みたい、身近に感じたいと思いませんか?

★★ Very Good!!

ヒーローに憧れ、ヒーローを目指して努力を重ね、それなりの実力を備えた主人公が、無用な殺生を嫌う、というのはわかる。しかし、反面、孤独を嫌い、友だちを得たいとも願っている。
かと思うと、ふとした事で思い出してしまった子どもの頃の数学の問題の理不尽さに対する憤りを抑えたくて、剣の素振りをし始める。
そんな主人公の友だち第一号は、キラーマンティスと呼ばれる大きなカマキリくん。彼も優しさと芯の強さを持つ好青年だ。
キャラクターのディテールが実に良い味をだしていて、散りばめられた謎に彼らが挑んでいく様に興味を掻き立てられる。
そんな作品ですね。