第8話 レビューの書き方☆
⭐️ ご挨拶
皆さま、こんにちは、浅葱 ひな です。
わたしが、ここカクヨムに登録をして、アカウントを取得したのが、およそ一年と少し前(令和2年6月初旬)でした。
新型感染症の影響で、書店までもが閉店休業を余儀なくされ、様々な物語を読みたくて……で、こちらにて活動するようになったのですが、そんな中、現在もおつきあいくださっているユーザーさまたちに影響されて、当時、物語を1作品だけ書かせていただいたのです。
そんな拙作ですが、なんと読者さまから、ここ、『カクヨム』では稀少な、文字によるレビューをいただけたんです。わたしは本当にそのことが嬉しかったので、ほかの作家さまたちも、きっとそうだろうと単純に考えました。そして、読み終えた物語にレビューを書いてみたのです。
すると、わたしが書いた初のレビューを目にしたユーザーさまが、レビューそのものを褒めてくださったのです。それが、わたしが『レビューを書く』きっかけでした。
読んだ! おもしろかったぁっ! ほかの読者さまにも読んでほしいな! から始まったレビューの投稿。これまでに、170作品ほどに書かせていただきました。最初の頃は、一日に1編。今では、およそ、三日に1編くらいの頻度に下がってしまいました。
最近では、これまでのようなペースで書けなくなっているのです。
何故なのか……? おもしろいと思える物語に出会えない……。最後まで読み通せる物語が少ない……。レビューを考え、技巧し始めた……。等々考えましたが、理由に辿りつくことができません。
そんなことを思い悩む中、以前、このサイト、『カクヨムの公式Twitter』で、わたしが書かせていただいたレビューを紹介していただけたのです。このことは、とても嬉しかったです。
それと同時に、これまでのわたしのレビューのスタンスは間違ってなかったんだな……とも思ったわけです。
ということで、楽しく書けていた頃を思いだせるように。初心に戻れるように。との想いも込めて、備忘録的に綴っておこうと思いたったのです。
決して、この書き方が、皆さまにとってベストなものではありません。わたしは、こんなふうに書いてたなぁ……というだけのこと。
皆さまにとっては、賛否両論あるかと思いますが、あくまで、わたしの私見ということでお許しいただきたいと思います。
それに、最近は、レビューという体裁をとっただけの、作品の酷評が目立つようになりました。
作者さまに向けた感想を、レビューを利用して投稿されることが増えました。
相変わらず、作品を読んでいなくても書けるようなレビューは多いですし……。
多種多様な作品に対して、テンプレ化されたレビューも減ってはいませんね。
なにより、作品のおもしろさをおすすめすることより、ご自身のお名前を売るためではないかと思えるようなレビューが目立つようになってきたことは、とても残念でなりません。
⭐️ まず読む
さて、わたしは、基本的に『完結済』の作品にレビューを書くことにしています。一部例外はありますよ。短編集とかエッセイ集などの作品は、それが『おもしろい!』って思った時に投稿しておかないと、その時期を逸してしまうかもしれません。エッセイとかに関しては、わたしは、その作品が『旬』のうちに読んでもらいたいんですよね。
そのほかには、読者選考とかで、少しでも応援したい時に連載中であっても書いたことがありますけど……、これらは、本当に例外です。
でも、どちらの場合も、レビューを書くのは、いちおう最新話まで追いついてからのことです。
わたしが何故、完結済の作品に拘るのか……? 完結している……ということは、基本的には結末が変わりません。わたしが、おもしろいと思った作品が、おもしろくなくなるということがありません。
おもしろい……と、おすすめする以上は責任を持たなくてはなりません。これは、結末が変わらないという前提があるからです。
その物語を読んだ上で、『わたしの言うおもしろいは、あてにならん!』ということもあるかもしれませんが、そこは、好みの問題か? わたしのレビューが下手なのか? のどちらかでしょう。
⭐️ カクヨム公式のガイドラインによると
『作品についておすすめするレビューではなく、「作者やユーザーへの誹謗中傷」、「小説と関係ない内容」、「誤字脱字の指摘」などの内容や「小説を読まずに投稿する行為」、「配慮の無いネタバレ行為」と判断した投稿は削除する場合があります。また利用規約に違反する内容や、作者への誹謗中傷などの投稿は削除及び利用停止の対応を行う場合があります。不適切な投稿を目撃した場合は[このページを通報]よりご連絡ください。』
とあります。ガイドラインより引用いたしました。
更に、最近は、これらのことが守られていないのか、別途のお知らせまで出る始末。
最新の発信では、『ネタばれ』は、申請すればレビューに書いてもいいらしいですが?
ネタばれのレビュー、皆さまは、貰って喜べますか?
⭐️ レビュータイトルへのこだわり
まずは、ここからでしょうか?
投稿したレビュータイトルが、その作品の上部を彩る……ということは、皆さま、ご存知だと思います。作者さまご自身が考えられたキャッチフレーズとともに掲載されるわけです。
そういう位置に掲載されるということは、販売される書籍の『帯』にも相当するのではないか……と、わたしは思うのです。
だとしたら、その作品の持つ雰囲気を壊してはいけない……はず。
要は、バトル物にはカッコいい。恋愛物にはシリアスな。でも、ラブコメだったら、コメディータッチで。等々。その作品にあったモノを書こうと思うのです。コピーライターになった気分で、考えることは尽きません。
もうひとつ。
わたしは、レビュータイトルの35文字を使い切ろうと思ってます。そこに、わたしの色を、少しだけ主張してたりして……。
わたしの主張をした上で、こうも思うのです。
もし、皆さまの本の『帯』に、『おもしろい!』、『読みやすい!』しか書かれてなかったら、その本、手にとるのでしょうか?
⭐️ わたし的禁止事項
レビューの本文にいきましょう。
わたしがレビューを書く時に、気をつけていることがいくつかあります。
★ ネタばれ
ここ『カクヨム』世界の波に逆行するようですが、『ネタばれ』はしないように心がけています。
レビューの中で表現していいのは、作品のタイトルと、作者さまの書かれたあらすじまで……だと思うからです。
レビュー自体に、結末が想像できてしまうような、トリックが判明してしまいそうな、そんな表現が入っていたら、皆さまだったらどう思いますか?
たぶん、そのネタばれレビューを元に、その作品を、改めて読みには行かないでしょ?
そうなったら、そのネタばれレビューは、作品をお薦めしてるとは言えないと思うんです。寧ろ、読者は、離れていくばかりではないでしょうか?
その作品をこれから読もうとしている、未読の読者に対して、ネタばれって、興味を削ぐ以外になにがあるのでしょう。
今でも、『カクヨム』運営が、ネタばれOKの御触れを出した意味は、理解ができませんが……。
この御触れ以降、新着一覧にタイトルだけのレビューが並ぶようになりました。しかし、そのタイトルだけのレビューで、その作品に飛ぼうと思えるモノは、今のところはありません。本文が表示されない以上、タイトルで引きつけないといけないのに。あなたは、35文字で読者の興味を惹く文章を書く、それだけの実力をお持ちですか?
ネタばれをしないように書く……というのも、作家さまにとっては必要なことではないでしょうか?
もし、近い将来、新刊の帯の依頼がきたらどうします? 文庫の解説の依頼がきたらどうします? そこではネタばれなんかできないんですよ。
★ 否定
最近よく見かけるのが、『ここがダメ!』とか、『こっちのほうがいい!』など、その作品を否定するようなレビュー。俗に言う、お薦めしてない不適切なレビュー。酷いのでは、『これは駄作!』というのもありました。
カクヨムのガイドラインにも明記されてるように、このサイトでは、こういうレビューは推奨されてる……どころか、許されていないのです。
それなのに、この種のレビューはなくなりません。
元来、読んで、おもしろい(にもいろいろ……)作品を、ほかの読者にも教えてあげたいから、レビューを投稿するのであって。
ダメ出しした作品を勧めてくる人の考えは、理解したくはありません。
『そんなことを言う(書く)のなら、ダメ出しした、その作品以上のモノを、自分で書いてみなさいよ』と、わたしは思ってしまうわけです。
ということで、わたしがレビューを書く際は、『その作品の否定になっていないか?』を、常に意識することにしています。
まぁ、わたしがレビューを書いてるのは、わたしがおもしろいと思ったモノに対してなので、このようなことは、まず、ありませんが……。
でも、たったひとつの言葉で、『否定になる』こともありますから、間違えないように気をつけてはいます。
★ 比較
これも、時々見かけますね。『○○の作品のようですね?』とか、『○○を彷彿とさせる作品です』などの、既存の出版作品を引き合いに出してくるレビュー。まるで、既存の出版作品の真似をしてる……と言わんばかりの褒め言葉? それとも、似たようなのを出版作品で読んだよ……とも取れる、読書履歴の顕示欲?
どちらにしても、ここ『カクヨム』に投稿されてるのは、作家さまご自身のオリジナルのはず。まぁ、一部の例外はありますけど……。
それとも、暗に一部の例外部分の、『これ、この出版作品のパ○リじゃね?』と匂わせたいのでしょうか? でも、それを言ったら、『異世界転生』とか、最初の一作以外、全部パ○リになってしまいます。
このご時世、似たような設定はいくらでもあります。だって、すでに設定は、ほぼほぼ出尽くしているんですもの。
レビューを投稿されている方からすれば、褒め言葉のつもりなのでしょう。投稿された側も、そんなの気にしない人もいるでしょう。
でも、わたしがそういうレビューをもらったら、あまりいい気分はしないので、わたし自身も比較はしない……ように、と気をつけています。
★ 願望
ここで取り上げるのは、無責任な願望です。
皆さまも、投稿されたレビューの中で、見かけたことがありませんか? 『書籍化されたら買います!』とか、『アニメで見てみたい!』とかのあれですね。
こういうレビューを貰って、作品を投稿なさっておられる作家さまは、『カクヨムで読んでくれれば書籍化されんだよ!』とか思われませんか? 『このサイトで読んでくれて、書籍化されたのを買ってくれたら、アニメ化もされるかもしんね〜だろ?』とか、思いませんか?
こういう文言を書いておけば、作者はきっと喜ぶ……などと、レビュワーは思ってるのでしょう。でも、皆さまが、こういうレビューを貰ったら、素直に喜べますか? 明らかに社交辞令ですよ。それどころか、こういう内容のレビューは、作品の内容には触れられていないことが殆どです。
作家の方が、『いつかは書籍化!』『果てはアニメ化!』という構想を持ち続けるのはたいせつなことだと思います。
ここ『カクヨム』には、数多の作品が投稿されているので、中には、その域に達した作品もあるでしょう。でも、それほどの素晴らしい作品だったら、同じような感想やレビューが、すでに、多くの読者から上がっているはずです。
その作品に、同じような内容が書かれていたら、レビューとして投稿もいいのかもしれません。でも、その想いが、少数意見、
それほど、素晴らしい作品に出逢えたのでしたら、何年先になるかわからない未来を語るより、今現在、そこにある作品のおもしろさを伝えるべきではないでしょうか。
なので、わたしは、無責任な過度の願望を書かないようにしています。
まぁ、元より、書籍化されるような素敵な作品は、わたしなんかがレビューを書かなくても、書籍化されるんです。
⭐️ 最後に……
今、思いつくことだけを書いてみました。皆さまがやったほうがいいことではなく、わたしがやらないように注意してることだけですが……。
レビューの書き方という、技術的な内容でなくてごめんなさい。
それでも、『おもしろい!』や『読みやすい!』だけのレビューよりは、いいかと思ってます。
レビューを書く人は、その読んだ物語がおもしろかったのでしょう? その読んだエッセイに感動したのでしょう?
『おもしろい!』とか、『読みやすい!』は、最初から、そこに存在する当然の前提だと思うんです。
本来なら、『○○がおもしろい!』とか、『○○だから読みやすい!』。これが最低限の、そのおもしろくて読みやすい作品をお薦めするレビューだと思うのですが、皆さまは、どうお考えでしょうか?
『おもしろい!』とか『読みやすい!』とだけのレビューだったら、その物語やエッセイを読んでなくても書けるんです。言い換えれば、この、ひと言だけのレビューは、どんな作品にも当てはめられるんです。たとえ、おもしろくなくても、読みにくかったとしてもです。
そのレビュー、その作品だけのことを考えて書いてますか……?
あさぎ文章研究所 浅葱 ひな @asagihina
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