【PR】マイナージャンル企画用『空から対旋律』のジャンルとは?(りえちゃんずルーム2)
なぎらまさと
『空から対旋律』のジャンルとは?
「先輩、久しぶり! でも、前回からちょっと間隔が空きすぎじゃない?」
そう? こっちも色々とあるんだよ。
「どうせお金がないんでしょ?」
う。だって、バーチャル・リモートトークの無料期間が終わったんだもん。むしろ、お試し期間が終わってちゃんと課金したことを褒めてよね。
「まあ、私に課金してくれただけでよしとするか。ところで、私が前に紹介したクラシックのお話し、読んでくれました?」
『空から対旋律(オブリガート)』ね。読んだよんだ。ひとつの話が短いから、隙間の時間にぱっと読めていいね。あれってショートショートっていうのかな?
「うーん、どうなんでしょう。ショートーショートって星新一みたいなイメージです。ちょっとSFっぽかったり、ラストに意外なオチがあったり」
ああ、なるほどね。『空から対旋律』は意外な展開にこだわってる感じじゃないもんね。一場面だけ切り取ったエッセイっぽい感じのもあるし。
「分類が難しいんですよね。必ずクラシック曲が登場するという意味では、インフォマーシャル的というか」
インフォマーシャル?
「深夜にやってる系のテレビ通販番組とかで、ドラマ仕立てのやつがあったりするじゃないですか」
ああ、あるね。海外ので大袈裟な吹き替えがされてるやつとか。
「そうです。ひとつの商品を三十分ぐらいかけて、手を変え品を変え紹介していく番組風の広告のこと」
あれ、インフォマーシャルって言うんだ。でもさ、『空から対旋律』ってクラシック曲は出てくるけど、話の中でそれを宣伝してるわけじゃないよね?
「そうなんですよね。そういう意味では、プロダクトプレイスメント的というか」
え、何だって? ちょっとメモするから待ってくれる?
「先輩、メモ取れました?」
……メントと。よし、お待たせ。で、プロダクトプレイスメントって何だって?
「これはですね、映画とかドラマの作品中に、実際の商品とか企業名をさりげなく登場させるっていう広告手法です」
ああ、あるね! それを見て同じ商品が欲しくなることを狙ってるわけか。
「はい。有名なスポーツ選手が使っている道具とかが偶発的に売れたりするケースもあるけど、それを意図的に仕掛けようとするのが、プロダクトプレイスメントっていう広告手法なんですよ。略してPPって言うんだって」
色々あるんだねぇ。
「ただ、PPの場合、メインはあくまで作品そのものだけど、『空から対旋律』の場合は、クラシック曲が登場すること自体が目的だって考えられるんです」
作品の作り方が違うってこと?
「PPは、あってもなくてもストーリーに大きく影響しないけど、『空から対旋律』は、その曲が出てこなかったら話が成立しないように書かれてますよね」
ということは、厳密にはPPとも違うってことか。直接宣伝してるわけじゃないからインフォマーシャルではないし、作品中にさりげなく登場しているけど、でもクラシック曲を登場させることが真の目的だからPPでもない、と。
「小説仕立ての広告仕立てというか。小説でもエッセイでもショートショートでもないから、相当なマイナージャンルってことになると思うんですよね」
まあでも、読み物として普通に楽しいから、どこに分類されても何でもいいんだけどね。今日は賢くなって気がするよ。ありがとう、りえちゃん。
……あれ。りえちゃん、どうしたの?
「あの、先輩。さっさと話を切り上げようとしてません?」
え、だってほら、もうすぐ時間超えちゃうし。
「あのですね、先輩がクラシックに興味があるって言うから紹介したんだから、せめてどの話が面白かったとか、どの曲に興味が出たとか言ってからにしてくださいよ!」
そ、そりゃそうだよね。ごめんごめん。俺はあれだな、ベートーヴェンの月光の話が好きだったよ。あれを読んでから三楽章がどうしても聴きたくなって、動画を探したもん。かっこよかった!
「そうそう、そのリアクションが欲しかったの! 『楽譜に刻印された感情の記憶』ね。月光って一楽章が特に有名だけど、二楽章も三楽章も全部いい曲ですよね。じゃ先輩、そろそろ時間だから、またね!」
ちょっと待って、りえちゃん! あーあ。やっぱりもうちょっと時間が長い課金コースに変更しようかな。バイトのシフト増やせないか、店長にお願いしてみよっと。
*****
クラシック音楽がある日常を切り取ったショートストーリー集
『空から対旋律(オブリガート)』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054934801564
『楽譜に刻印された感情の記憶』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054934801564/episodes/1177354054935388426
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