世界で一番美しいヒロインだと、私は叫びたい

この作品の魅力はなんだろうと、突き詰めていったとき。
私は結論として、主人公・ヨワが美しい。そこに行き着きます。

まず大前提として、ヨワは自己肯定感がどん底です。
それは皮膚の疾患だったり、出自の都合だったり、とにかくそうなるのも仕方ないと言えるような境遇なのですが。
そのうえで、というよりは、そうだからこそ、ヨワが意志を持って行動する、その一挙一動が、あまりにもきらめいていて、いとおしい。
友人と笑い合って、人に親切にして、人に親切にされて、新しいことに挑戦して、何に悩み、何に怒り、誰のために怒り、なんのために自分の力を使うのか。

そもそもとして、ヨワ、いい子なんですよね。
自己肯定感は低くとも、人に親切にすることは自然とできてて。
改めて読み返したら、最初のシーンから人に親切にしてる。
そんな子だからこそ、幸せを願いたくなる。

このレビューのタイトルについて、これは私の本心です。
個人的な趣味嗜好もあれど、それを超えて、ヨワは美しい。輝かしい。
でもそれを私がいくら叫んだとして、あるいは物語の中に入り込んでヨワに直接言う機会が与えられたとして、それはきっとヨワには響かないでしょう。
こういう言葉は、しかるべき人が口にして、初めて当人に響く言葉です。

……という文を推敲していて、そして投稿するより前に提示された、サポーター限定記事。
まさしくの場面が、そこにありました。
本当に、このレビュータイトル、限定記事を読む前に考えていましたからね。
届けたくてもきっと届かない思いを、それをちゃんと届けることができる人が、言ってくれた。
なんだか、私の心まで、救われた気持ちでした。

ヨワと、それを取り巻く人々が、ずっと幸福でいられますように。
届くことはなくても、祈りたくなります。