僕は僕のキャラクターに責められている

綿麻きぬ

未完結

 責められ続けている。永遠に完結することのない物語のキャラクターに。彼らはもう地上に足をつけていない。この何千、何万という物語がある中の一つの物語のキャラクターに誰も目を止めない。浮遊している。


 もう彼らを僕は地上に戻すことができない。いや、したくない。


 それを彼らはきっと分かっているのだろう。だからこそ、彼らは僕を責める。


「どうすれば私たちは地に足がつけるの?」


「どこに私たちは向かっているの?」


「私たちはどうなるの?」


 そうキャラクター達は僕を責める。でももう、僕は彼らの続きは書けない。


 いや、書けないではない。書きたくないが正しい。


 話を進めるのが怖い。完結させるのが怖い。物語を終わらせるのが怖い。


 だからゴメン、僕の勝手だけど君たちの続きは書けない。

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僕は僕のキャラクターに責められている 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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