202011 ジャパロボ 62
渋谷かな
第1話 ジャパロボ62
「私が第2代大日本帝国の皇帝、森田祐奈です。」
祐奈は皇帝就任式に望む。
「それでは新皇帝、眠り姫こと、森田祐奈から全世界の人々にメッセージです。」
式典の司会は麻衣である。
「ちなみに式典の模様は久美・チャンネルで全世界に独占放送されています。」
久美のSNSが全世界中継に役に立っている。
「お母さんの皇帝就任を反対するテロリストたちがテロを仕掛けるかもしれない。全員、気を緩めずに警備しろ!」
「おお!」
イリス、さとみ、優子、麻理子たちが式展会場を警護している。
「なんで私たちまで警備に参加してるんですかね? みなみ様。」
「今回の森田祐奈の皇帝就任には、反大日本帝国同盟ジャパカイダが協力して前政権を倒したことになっている。私たちの立場も立つし、テロリストにもテロが成功したという達成感もある。何事も起こらずに無事に式典が終わればいいのだが。」
みなみたちも祐奈の皇帝就任を喜んだ。
「前皇帝である私の父はAIロボットに洗脳されていたとはいえ、世界の平和とは程遠い世界を作ってしまいました。まず、そのことを娘である私がお詫びしたい。申し訳ありませんでした。」
祐奈はカメラの向こうにいる全世界の人々に頭を下げる。
「その上で私から提案するのは、世界の各国が国の名前を奪われたように、日本という国の名前を失くすことにします。大日本帝国は事実上の亡国となるのです。」
唯一の国、日本は世界から消えてなくなった。
「私たちは同じ水と緑の星に生きているのですから、地球国地球人に統一します。全員が同じ国の民、同じ人種として接すれば、きっと今よりも優しい国が誕生すると思います。」
新たに地球国、地球人が唯一の存在となった。
「人種差別的な人間の階級制度も廃止です。全ての人々が平等に生きていくのです。」
上級日本人と世界中の人々が奴隷の階級制度は撤廃された。
「もし世界の平和にしたいという人々の想いに反する存在が現れた時は、私が全て排除します。」
祐奈は、全世界を祐奈の脳波で無人のジャパロボを操り平和に警備する、祐奈皇帝ワールド・パトロール・ネットワーク・システムである。
「私は争いのない世界を目指します。みなさんが笑顔で暮らせる世界を作るために私を助けてくださいね。アハッ!」
頼りないような、親しみがあるような。
「恐怖政治が終わるんだ!?」
「俺たちは自由だ!」
「祐奈ちゃん、可愛いね。」
元から有名人で人気のあった祐奈は世界の人々から受け入れられた。
「それでは新皇帝就任式を終わります。」
テロもなく無事に式典は終わった。
「頑張らなくっちゃ。私。アハッ!」
皇帝の間に戻ってきた祐奈は自分に言い聞かせるように話す。
「じゃあ、後はよろしく・・・・・・zzz。」
祐奈は皇帝の玉座に座り永い眠りについた。
「ですよね。ええなあ~、祐奈はんは眠るだけで。」
明治天皇は人型AIロボットになっていた。
「祐奈はんの脳波にネットワークをリンクさせてと。いきまっせ。」
起動ボタンを押すと寝ながら祐奈が全世界の平和を守るシステムが動き出した。
「何が新皇帝だ! 大日本帝国にテロを仕掛けるぞ!」
「おお!」
世界のテロリストは大日本帝国を恨んでいるのでテロをやめない者たちもいた。
「そこまでだ! テロリスト!」
いきなり大きな声が指摘する。
「なんだ!? 何事だ!?」
動揺するテロリストたち。
「私は地球国自衛隊ジャパロボだ! 皆さんを逮捕させていただきます!」
「自衛隊だと!? なんでここがバレたんだ!?」
眠れる祐奈は人の悪意を察知し感じ取る。
「構わねえ! やっちまえ!」
抵抗するテロリストたち。
「これでもやりますか?」
テロリストの周囲は100機以上の自衛隊のジャパロボに取り囲まれていた。
「ま、参りました。」
その光景に観念するテロリストたち。
「いいなあ~。祐奈はん。寝てるだけで犯罪を取り締まれるなんて。嫉妬しちゃうわ。」
ぼやくAIロボットの明治天皇。
「zzz・・・・・・合コン・・・・・・いいんですか? ・・・・・・私が行ったら一人勝ちですよ・・・・・・私、人気者ですからね・・・・・・zzz。」
当の本人は心地よい夢の中。
つづく。
202011 ジャパロボ 62 渋谷かな @yahoogle
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。