05 over extended.
熱が下がってから。
彼女は、自分の部屋に住むと言い出した。どんなにやさしく諭しても、彼女は聞く耳を持たなかった。すぐに、コップと歯ブラシとタオルを持ってきて。まるで以前からここにいたかのように、自分の部屋に住み始める。
彼女は、勉強ができる。頭がよくて、器量もよくて。スタミナも、精神力もある。すごい人だった。
でも、そういうところを好きになったんじゃなくて。その、何かを見るとどうしても放っておけない、やさしいところを、好きになったんだった。
彼女。勉強を教えてくれるようになった。単位は全部取っているみたいで、一緒に授業を受けることはなかったけど。レジュメを家に置き忘れたとき、こっそり届けてくれたりした。
彼女。いつも、暖かかった。
「ありがとう」
そう言う度に。彼女は、決まって、いつも。
「わたしのほうが基礎体温高いから」
謎の、体温マウントを取ってくる。
午前四時、体温37度1分 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます