バス停の透明人間(140字小説)
塩塩塩
バス停の透明人間
バス停で隣の男と目が合った。
「見られてしまっては仕方ない。
私はハッキリ見えるタイプの透明人間なのです」
男は空中を数十センチ上がった所で腰を掛け、向こうへスーッと行ってしまった。
男は見えないタイプの透明バスに乗ったのだ。
いずれにせよ、私は見えるタイプのバスを待つしかないのである。
バス停の透明人間(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t
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