202011 ジャパロボ 55
渋谷かな
第1話 ジャパロボ55
「進め!」
祐奈の父親の森田は世界の終わりのスイッチを押す。
「全世界を我が物にするのだ!」
今からジャパロボ世界大戦が始まる。
「やっと私の悲願が叶うのだ!」
森田は第2回全国ジャパロボ大会の前から、全世界を支配することを計画していた。そして富士山の秘密工場でジャパロボを量産していたのだった。
「ワッハッハー!」
当時の森田は防衛省のジャパロボ大臣であった。日本自衛隊のジャパロボの全軍を指揮する権限を内閣総理大臣と同様に持っていた。
「も・・・・・・森田・・・・・・貴様!?」
時野総理大臣は森田に銃に撃たれて血塗れになっている。
「おまえの時代は終わった。これからはロボットが、AIが人間を支配するのだ。」
バン! っと総理大臣に銃弾を撃ち込みとどめを刺す。
「今から日本国は大日本帝国を名乗り、全世界に宣戦布告する! 私が初代皇帝になるのだ! ワッハッハー!」
日本でクーデターが起こり、大日本帝国は生まれた。ちょうど第3回全国ジャパロボ大会の開会式と同時刻であった。
「なんだ!? あれは!? 鳥だ!? 飛行機だ!? ロボットだ!?」
そして全世界に放たれた日本製の量産化されたジャパロボたち。
「ギャアアアアアア!?」
ドカーン! っとミサイルやビームが放たれ世界は火の海に包まれた。
「軍隊を出せ! 迎撃しろ!」
世界各国の軍隊は戦闘機や戦車が主流だった。
「そんなものでジャパロボと戦えるかよ!」
車型から人型ロボットの開発に成功したのは日本だけだった。
「撃て!」
戦車が一斉攻撃を始める。
「そんなもの当たるかよ!」
日本のジャパロボは二本足で簡単に戦車の砲弾を交わす。
「くらえ!」
人型ジャパロボの腕は小回りが利くので、楽にビームライフルの照準を合わせることができる。
「ドカーン!」
戦車や戦闘機は簡単に日本のジャパロボに落とされていく。
「ジャパロボにはAIが内蔵されているんだ! 誰もエースパイロット並みに戦えるんだ! ワッハッハー!」
ジャパロボ世界大戦の大日本帝国のジャパロボに内蔵されたAIは、第2回全国ジャパロボ大会の祐奈の戦闘データである。これが自分の私利私欲のために娘を売る父親の森田皇帝であった。この時、祐奈の家庭は崩壊した。
回想。
「お母さん!? お母さん!? 嫌だよ!? 死なないで!?」
出てきていない祐奈の母親は、この時、心痛のため急死した。
「お星さま、キラキラ。」
この後、祐奈は精神病の様に放心状態になってしまった。
回想終わる。
「世界中の人間に告げる! 私は大日本帝国森田皇帝である! 今から全世界は大日本帝国が支配する。」
僅か1週間で大日本帝国は人型ロボット兵器ジャパロボを使い全世界を征服した。
「全ての国は廃止! 例えばアメリカは、大日本帝国アメリカ州と名乗るのだ! アメリカ国と名乗った者は処刑する! 一人でも違反した者がいれば、その家族、親戚まで全て処刑だ! 分かったか!」
こうして地球に唯一大日本帝国だけが国となった。そして世界の人々は国を奪われた。
「日本人は上級日本人。その他の人間は下級日本人として生かしてやろう。ワッハッハー!」
大日本帝国日本人だけは人間として生きることを許された階級社会が始まった。
「許さんぞ! 日本め! この命がある限り諦めたりするものか! 日本国に復讐してやる!」
戦争の悲劇は新しい戦争の火種を生み出すだけだった。
「どうして? 私たちは普通に暮らしてはいけないの?」
「それはね。私たちが日本人じゃないからさ。」
「貧しい。お腹いっぱいご飯が食べたいよ・・・・・・バタ・・・・・・。」
新しい貧困や難民も多く生まれた。
「この世界は私のものだ! ワッハッハー!」
全てを手に入れた森田皇帝であった。
つづく。
202011 ジャパロボ 55 渋谷かな @yahoogle
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。