202011 ジャパロボ 52

渋谷かな

第1話 ジャパロボ52

「私は反大日本帝国同盟ジャパカイダの者だ! アイルランド解放戦線に告ぐ! 武力行使はやめろ!」

 みなみはスピーカーでアイルランド解放戦線に訴えかける。

「何を言ってやがる!? おまえらもテロリストじゃないか!? テロリストが破壊活動をしないでどうする!?」

 アイルランド解放戦線はすんなりとは引き下がらない。

「罪のない人々を巻き込むな! 戦争行為は新しい悲しみを生み出すだけだ! それが恨みとなり復讐心を育て、自分たちに帰って来るぞ!」

 負の連鎖である。

「何を!? 先に仕掛けたのは日本だ! なんの罪のないアイルランドの人々に、いきなりミサイルを打ち込んで皆殺しにしたのは日本じゃないか!」

 アイルランドのテロリストの意見に正当性がある。

「でもどこかで誰かが耐えなければ、世界から戦争はなくならない!」

「それは攻撃した方の言い分だな。」

「なに!?」

「なら私たちが日本に復讐を果たした後に、おまえたちが耐えろ! 我が恨み晴らさねば死んでいった同胞たちがうかばれない!」

 アイルロボは魚雷を撃ちまくる。

「やめろ!」

 みなみの脳波をAIの結子が読み取る。姉妹だけに人間とAIのリンク率が非常に高い。

「ドカドカドカ!」

 全ての魚雷をみなみはビームで破壊する。

「一般市民を巻き込むな! 私たちが倒さなければいけないのは、一部の権力者だけだ! そいつらは国民の死などでは心は痛めない! 民衆の反感感情を利用して、新たな戦争を始めるだけだ! なぜそれが分からない!」

 同じテロリストの立場のみなみは問いかける。

「フッ、所詮テロリストでも、おまえは大日本帝国の恵まれたテロリストだ。国土を焼かれ、民を人質に取られ、いつも日本人如きに怯えて生きている。支配されている人々の絶望は、おまえには分からないんだ!」

 あくまでも徹底抗戦の構えのアイルランド解放戦線。

「この分からず屋!」

 みなみも応戦しようとする。

「ドカーン!」

 その時だった。どこからか飛んできたビームがアイルロボに直撃する。

「なんだ!?」

 3体のジャパロボが現れる。

「あいつらは!?」

 祐奈は知っているみたいだった。

「我々は大日本帝国自衛隊明日香隊である! 速やかに投降しろ! テロリストには2度も警告はしないぞ!」

 現れたのは自衛隊の明日香隊であった。

「謀ったな!? 説得するフリをして増援を待っていやがったんだな!?」

「違う!? 私は時間稼ぎなどしていない!? 自衛隊とグルではない!?」

「クソッ! こうなれば死なば諸共だ! でやあああああー!」

 アイルロボは明日香隊のジャパロボ目掛けて突進していく。

「くたばれ! テロリスト!」

 ビームサーベルの一撃でアイルロボの首を刎ねる。

「アイルランドに栄光あれ!」

 ドカーン! っとアイルロボは爆発した。

「次はおまえの番だ! テロリスト!」

 ターゲットはみなみだった。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202011 ジャパロボ 52 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る